旅行先でコンタクトを安全に使いたい|旅行中のコンタクトレンズ管理で気をつけたいこと
旅行先でもコンタクトレンズを使いたい方は多いでしょう。
観光、海やプール、温泉、長時間移動、ホテルでの宿泊など、旅行中は普段と違う環境でコンタクトレンズを扱う場面が増えます。いつも通り使っているつもりでも、手洗いが不十分になったり、保存液を忘れたり、つけたまま寝てしまったりすることがあります。
コンタクトレンズは便利な一方で、使い方を誤ると角膜感染症や角膜潰瘍などの目のトラブルにつながることがあります。特に旅行中は、すぐに眼科を受診できない場合もあるため、出発前の準備と旅行中の管理が大切です。
ここでは、旅行中のコンタクトレンズ管理で気をつけたいことについて解説します。
旅行中はコンタクトのトラブルが起こりやすい

旅行中は、コンタクトレンズを清潔に扱いにくい状況が増えます。
移動中に手を洗いにくい、ホテルの洗面台でレンズを扱う、海やプールに入る、寝不足でそのまま眠ってしまうなど、普段よりもリスクが高くなる場面があります。
ここでは、旅行中にコンタクトのトラブルが起こりやすい理由について解説します。
手洗いが不十分になりやすい
コンタクトレンズを扱う前には、手を洗って清潔にすることが基本です。
しかし、旅行中は空港、駅、観光地、車内、機内など、十分に手を洗えない場面があります。手に汚れや細菌がついたままレンズを触ると、目の炎症や感染症につながることがあります。
レンズをつけ外しする場所を決め、石けんと水で手を洗い、清潔なタオルやペーパーで手を乾かしてから扱うようにしましょう。
保存液やケースの管理が乱れやすい
2週間交換や1か月交換のソフトコンタクトレンズでは、保存液やケースの管理が必要です。
旅行中に保存液を忘れると、水道水で代用したくなることがありますが、水道水、ミネラルウォーター、海水、プールの水などはコンタクトレンズに使えません。水に含まれる微生物がレンズに付着し、重い角膜感染症につながることがあります。
保存液は旅行日数分より少し多めに持参し、レンズケースも清潔なものを用意しておくと安心です。
疲れや寝落ちでつけっぱなしになりやすい
旅行中は、移動や観光で疲れて、コンタクトレンズを外す前に寝てしまうことがあります。
コンタクトレンズをつけたまま眠ると、角膜に酸素が届きにくくなり、感染や角膜障害のリスクが高くなります。連続装用が認められているレンズでも、自己判断でつけたまま寝るのは避けた方が安心です。
ホテルに着いたら、まずコンタクトを外してメガネに替える流れを作っておくと、寝落ち対策になります。
旅行前に準備しておきたいもの

旅行中のコンタクトトラブルを防ぐには、出発前の準備が大切です。
「現地で買えばよい」と考えていても、同じ度数や種類のレンズ、使い慣れた保存液がすぐに手に入るとは限りません。
ここでは、旅行前に準備しておきたいものを紹介します。
予備のコンタクトレンズ
旅行には、予定日数分より多めにコンタクトレンズを持っていきましょう。
レンズを落とす、破れる、汚れる、予定が延びるなどの可能性があります。ワンデータイプであれば、日数分に加えて数日分の予備を入れておくと安心です。
2週間交換や1か月交換のレンズを使っている方も、予備のレンズを持参しましょう。予備がないと、トラブル時に無理して同じレンズを使い続けることになりやすくなります。
メガネ
旅行中は、必ずメガネを持っていきましょう。
目が赤い、痛い、しみる、見えにくい、まぶしいなどの症状がある場合は、コンタクトレンズを中止してメガネに切り替える必要があります。
メガネがないと、症状があってもコンタクトを使い続けてしまいやすくなります。旅行先で目の不調が出たとき、メガネは「逃げ道」になります。地味ですが、かなり大事です。
保存液とレンズケース
2週間交換や1か月交換のレンズを使う場合は、保存液とレンズケースを必ず持参します。
保存液は、旅行日数より多めに準備しましょう。航空機に持ち込む場合は、液体物の制限があるため、機内持ち込み用と預け荷物用を分けておくと安心です。
レンズケースは汚れが残りやすいため、旅行前に新しいものへ交換しておくのがおすすめです。使用後は古い保存液を捨て、ケースを清潔に保ちましょう。
人工涙液や目薬
旅行中は、飛行機内、ホテルの空調、屋外の風、長時間のスマートフォン使用などで目が乾きやすくなります。
コンタクトレンズ装用中に使える人工涙液や目薬を持っておくと、乾燥時の対策になります。ただし、すべての目薬がコンタクト装用中に使えるわけではありません。使えるかどうかは、製品表示を確認しましょう。
防腐剤入りの目薬を頻回に使うと、目に負担になる場合があります。ドライアイがある方は、旅行前に眼科で相談しておくと安心です。
ワンデータイプを選ぶメリット

旅行中のコンタクト管理では、ワンデータイプが便利なことがあります。
普段は2週間交換や1か月交換のレンズを使っている方でも、旅行中だけワンデータイプを検討するのも選択肢です。
ここでは、ワンデータイプを選ぶメリットについて解説します。
ケア用品が少なくて済む
ワンデータイプは、1日使ったら捨てるため、保存液やレンズケースの管理が不要です。
旅行中は荷物を減らしたい場面も多く、ケア用品が少なくなるのは大きなメリットです。ホテルや移動先でレンズを洗ったり保存したりする手間も減ります。
清潔に使いやすい
ワンデータイプは毎日新しいレンズを使うため、レンズの汚れがたまりにくいという利点があります。
旅行中は手洗いや保存環境が乱れやすいため、清潔に使いやすい点は安心材料になります。ただし、ワンデータイプでも、手を洗わずに触る、つけたまま寝る、水に触れさせるといった使い方は避ける必要があります。
紛失や破損に対応しやすい
旅行中にレンズを落としたり破れたりしても、ワンデータイプで予備があれば交換しやすくなります。
予定日数分ぎりぎりではなく、少し多めに持っていくと安心です。海外旅行や長期旅行では、現地で同じレンズが手に入らないこともあります。
コンタクトと水の接触に注意する

コンタクトレンズと水は相性がよくありません。
水道水、ミネラルウォーター、プール、海、温泉、シャワーなどは、コンタクトレンズに触れないようにすることが大切です。水に含まれる微生物がレンズに付着すると、角膜感染症の原因になることがあります。
ここでは、コンタクトと水の接触に注意したい場面について解説します。
水道水で洗わない
コンタクトレンズやレンズケースを水道水で洗ってはいけません。
保存液を忘れたときに水道水で代用したくなることがありますが、これは避けるべき使い方です。FDAは、コンタクトレンズを水道水、ボトル水、蒸留水、湖や海の水などに触れさせないよう注意しています。水道水や蒸留水は、治療が難しいアカントアメーバ角膜炎と関連することがあります。
保存液がない場合は、無理にレンズを保存して再使用するより、メガネに切り替える方が安全です。
シャワーや温泉では外す
コンタクトレンズをつけたままシャワーを浴びたり、温泉に入ったりするのは避けましょう。
水が目に入ると、レンズに微生物が付着する可能性があります。CDCも、シャワー、プール、ホットタブなどでコンタクトレンズと水が接触することに注意を促しています。水がレンズに触れた場合は、できるだけ早く外し、使い捨てなら破棄、再使用レンズなら洗浄・消毒が必要です。
旅行中は温泉や大浴場に入る機会が多いため、入浴前にメガネへ替える習慣をつけておきましょう。
海やプールでは原則外す
海やプールでも、コンタクトレンズは原則として外す方が安全です。
プールや海水には細菌や微生物が含まれることがあります。さらに、レンズをつけたまま水に入ると、レンズがずれたり、汚れが付着したりすることがあります。
どうしても見え方が不安な場合は、度付きゴーグルを検討しましょう。旅行先で海やプールを楽しむ予定がある方は、事前に準備しておくと安心です。
飛行機やホテルでの乾燥対策

旅行中は、目が乾きやすい環境に入ることがあります。
特に飛行機内やホテルの空調、長時間の移動では、コンタクトレンズの乾燥感が強くなることがあります。
ここでは、飛行機やホテルでの乾燥対策について解説します。
飛行機内では乾燥しやすい
飛行機内は湿度が低く、目が乾きやすい環境です。
長時間フライトでは、コンタクトレンズをつけ続けることで、乾燥感や異物感が出ることがあります。長時間の移動では、メガネで過ごす、途中で人工涙液を使う、到着後に装用するなどの工夫を考えましょう。
機内で眠る予定がある場合は、乗る前にコンタクトを外しておく方が安心です。
ホテルの空調にも注意する
ホテルでは、冷房や暖房の風が直接顔に当たることで目が乾きやすくなります。
寝るときはコンタクトを外し、エアコンの風向きを調整しましょう。朝起きたときに目が乾く方は、加湿、人工涙液、メガネでの休息などを組み合わせるとよいでしょう。
長時間のスマートフォン使用を控える
旅行中は、地図、予約確認、写真整理、SNSなどでスマートフォンを見る時間が増えやすくなります。
画面を見続けるとまばたきが減り、目が乾きやすくなります。コンタクト装用中に乾燥感がある場合は、画面を見る時間を減らし、意識してまばたきを増やすことも大切です。
目に異常があるときの対応

旅行中に目が痛い、赤い、見えにくいなどの症状が出た場合は、コンタクトレンズを使い続けないことが大切です。
「せっかくの旅行だから」と無理をすると、症状が悪化することがあります。
ここでは、目に異常があるときの対応について解説します。
すぐにコンタクトを外す
目に痛み、強い赤み、まぶしさ、目やに、涙が止まらない、見えにくいなどの症状がある場合は、まずコンタクトレンズを外します。
FDAは、コンタクト装用中に目の刺激や感染が疑われる症状がある場合、すぐにレンズを外し、眼科専門職へ連絡するよう案内しています。症状として、痛み、充血、かすみ、光への過敏、異物感、目やに、腫れなどが挙げられています。
外したあとも症状が続く場合は、旅行先でも眼科受診を検討しましょう。
メガネに切り替える
コンタクトレンズを外したら、メガネに切り替えます。
このとき、症状が少し軽くなったからといって、同じレンズをすぐに再装用するのは避けましょう。レンズ自体に汚れや傷、微生物が付着している可能性があります。
ワンデータイプなら破棄し、再使用タイプでは適切に洗浄・消毒します。症状がある間は、基本的にコンタクトは休む方が安全です。
早めに眼科を探す
強い痛み、充血、まぶしさ、見えにくさがある場合は、角膜炎や角膜潰瘍などの可能性があります。
コンタクト関連の角膜感染症は、短時間で悪化することがあります。旅行先だからと様子を見すぎず、宿泊先や近くの医療機関、旅行保険の窓口などを使って、眼科を探しましょう。
旅行中に避けたいコンタクトの使い方

旅行中は「少しくらい大丈夫」と思ってしまう場面があります。
しかし、コンタクトレンズは目に直接触れる医療機器です。小さな油断がトラブルにつながることがあります。
ここでは、旅行中に避けたいコンタクトの使い方について解説します。
つけたまま寝る
旅行中でも、コンタクトレンズをつけたまま寝るのは避けましょう。
昼寝、夜行バス、飛行機、ホテルでの寝落ちなど、眠る可能性がある場面では、あらかじめ外しておくと安心です。
保存液を使い回す
保存液は毎回新しいものを使います。
レンズケースに残った保存液へ継ぎ足す使い方は避けましょう。FDAも、古い保存液を捨て、毎回新しい液で管理することを勧めています。
旅行中は保存液がもったいなく感じるかもしれませんが、ここを節約するのは目にとって高くつくことがあります。
他人のレンズを使う
コンタクトレンズを他人と共有してはいけません。
度数が合わないだけでなく、感染症や角膜障害の原因になります。カラーコンタクトでも同じです。旅行先で写真を撮るために、友人のレンズを借りるような使い方は避けましょう。
旅行中のコンタクト管理チェックリスト

旅行先でコンタクトレンズを安全に使うには、準備と使い方を整理しておくと安心です。
出発前の確認
- 旅行日数分より多めにレンズを持った
- 予備のメガネを入れた
- 保存液を用意した
- レンズケースを新しいものにした
- コンタクト装用中に使える目薬を確認した
- 海やプール用に度付きゴーグルを検討した
- 目に不調がある場合の眼科受診先を確認した
旅行中の使い方
- レンズを触る前に手を洗う
- 手を清潔に乾かしてから扱う
- 保存液は毎回新しいものを使う
- レンズやケースを水道水で洗わない
- シャワー、温泉、海、プールでは外す
- 寝る前に必ず外す
- 乾燥が強いときはメガネで休む
受診を考えるサイン
- 目が痛い
- 目が赤い
- まぶしい
- 見えにくい
- 目やにが出る
- 涙が止まらない
- 異物感が強い
- コンタクトを外しても症状が続く
まとめ

旅行先でコンタクトレンズを使う場合は、普段以上に清潔管理と乾燥対策を意識することが大切です。
旅行中は、手洗いが不十分になったり、保存液を忘れたり、つけたまま寝てしまったり、水に触れる場面が増えたりしやすくなります。コンタクトレンズやケースは水道水で洗わず、保存液は毎回新しいものを使い、温泉、シャワー、海、プールでは原則として外しましょう。
旅行には、予備のコンタクトレンズ、メガネ、保存液、レンズケース、コンタクト装用中に使える目薬を準備しておくと安心です。旅行中だけワンデータイプを使うのも選択肢になります。
目が痛い、赤い、まぶしい、見えにくい、目やにが出るなどの症状がある場合は、すぐにコンタクトを外し、メガネに切り替えましょう。症状が続く場合は、旅行先でも眼科への相談を考えます。
旅行を楽しむためにも、目のトラブルを防ぐ準備をしておきましょう。コンタクトは便利ですが、無理して使い続けるものではありません。