旅行中の子どもの転倒・ケガを防ぐには
旅行中は、子どもが転んだり、ぶつけたりしないか心配になることがあります。
ホテル、駅、空港、観光地、飲食店、旅先の公園などでは、普段と違う段差や床、家具、人混みがあります。子どもは楽しくなると走り出しやすく、大人も荷物や移動で注意が分散しやすいため、転倒やケガが起こりやすくなります。
すべてのケガを完全に防ぐことは難しいですが、危ない場面をあらかじめ知っておくことで、リスクを減らすことはできます。
ここでは、旅行中の子どもの転倒・ケガを防ぐポイントについて解説します。
旅行中に子どもが転びやすい理由

旅行中は、子どもにとって慣れない環境が続きます。
ホテルの部屋、駅の階段、空港の床、観光地の石畳、坂道、砂利道、飲食店の通路など、普段と違う場所では、子どもが足元の変化に気づきにくいことがあります。床が濡れている場所や、荷物が置かれている通路では、つまずきやすくなります。
また、旅行中は子どもが興奮しやすく、走ったり、振り返りながら歩いたり、景色やお店に気を取られたりすることがあります。疲れてくると、足元がふらつきやすくなり、普段なら転ばない場所で転ぶこともあります。
大人側も、荷物、スマートフォン、チケット、ベビーカー、下の子の世話などで注意が分散しやすくなります。旅行中は、子どもだけでなく大人も疲れやすいことを前提に、安全を考えることが大切です。
ホテルで注意したい転倒・ケガ

ホテルでは、到着後すぐに部屋の中を確認しましょう。
ベッドの端、家具の角、浴室の床、洗面所、段差、窓際、ベランダ、コンセント、湯沸かしポットなどは、子どものケガにつながりやすい場所です。スーツケースを広げたままにすると、通路が狭くなり、つまずきやすくなります。
小さな子どもは、ベッドやソファの上で跳ねたり、椅子に登ったりすることがあります。ベッドの端で遊ばせない、椅子やテーブルの上に立たせない、浴室や洗面所では走らせないようにしましょう。
浴室や洗面所は、床が濡れて滑りやすくなります。入浴後は水滴を拭く、滑りにくい履物を使う、子どもだけで浴室に入らせないなどの工夫が役立ちます。部屋に入ったら、まず危ない物を子どもの手が届きにくい場所に移すだけでも、事故を減らしやすくなります。
駅・空港・観光地で気をつけたいこと

駅や空港、観光地では、人混みと段差に注意が必要です。
駅のホーム、階段、エスカレーター、改札、空港の動く歩道、観光施設の入口、チケット売り場、土産物店などでは、周囲の人の流れが速く、子どもが急に立ち止まったり走り出したりすると危険です。
混雑した場所では、子どもの手をつなぎ、歩く場所を大人が選びましょう。リュックやスーツケースが足元に当たって転ぶこともあるため、荷物が多い日は特に注意が必要です。
階段やエスカレーターでは、手すりを使い、急がせないことが大切です。小さな子どもや荷物が多いときは、エレベーターを使う選択もあります。観光地の石畳、砂利道、坂道、濡れた床では、歩く速度を落とし、無理に急がないようにしましょう。
写真を撮る場所や景色のよい場所では、子どもが後ろ向きに歩いたり、段差に気づかなかったりすることがあります。撮影前に足元と周囲を確認しておくと安心です。
靴と服装を整える

旅行中の転倒予防では、靴と服装も大切です。
靴は、履き慣れたものを選びましょう。新しい靴、サイズが合っていない靴、脱げやすいサンダル、滑りやすい靴底は、転倒や靴ずれの原因になります。長く歩く旅行では、足をしっかり支えるスニーカーが安心です。
服装は、動きやすく、裾を踏みにくいものを選びます。長すぎるズボンやスカート、肩から落ちやすい上着、大きすぎるリュックは、動きにくさにつながることがあります。
雨の日や水辺、温泉施設、プール、海辺では、滑りにくい履物を用意しておくと安心です。濡れた床では、子どもは思った以上に転びやすくなります。裸足で走らせない、足元が濡れている場所ではゆっくり歩くなど、声かけも大切です。
疲れと空腹をためない

子どもの転倒は、疲れや空腹が重なったときにも起こりやすくなります。
旅行中は予定を詰め込みたくなりますが、長時間歩き続けると、子どもは集中力が落ち、足元が不安定になりやすくなります。眠い、疲れた、お腹が空いた、暑い、寒いといった状態では、走ったりぐずったりして、転びやすくなることもあります。
予定には、こまめな休憩を入れましょう。水分補給、軽食、トイレ、座って休める場所を先に確認しておくと、無理なく動きやすくなります。
観光の後半ほど転びやすくなることを意識し、帰り道やホテルに戻る前も油断しないことが大切です。疲れているときは、予定を一つ減らす、タクシーや公共交通機関を使う、早めにホテルへ戻るなどの判断も安全につながります。
転んだときの確認ポイント

子どもが転んだときは、まず落ち着いて全身の様子を確認します。
意識があるか、呼びかけに反応するか、顔色が悪くないか、強く痛がっている場所がないか、出血や腫れがないかを見ます。頭を打った場合は、吐き気、眠気、ぐったり、けいれん、何度も吐く、反応が悪いなどがないか確認しましょう。
手足を痛がる場合は、動かせるか、腫れていないか、左右差がないかを見ます。強い痛みがある、歩けない、関節の形がいつもと違う、腫れが強い場合は、無理に動かさず医療機関へ相談しましょう。
すり傷は、流水で汚れを洗い流し、清潔に保ちます。出血がある場合は、清潔なガーゼやタオルで圧迫します。傷が深い、出血が止まらない、砂利や異物が取れない、動物にかまれた傷などは、早めに医療機関へ相談しましょう。
旅行中に判断に迷う場合は、#8000、救急相談、宿泊先のフロント、観光施設のスタッフなどを活用しましょう。緊急性が高い場合は119番に連絡します。
旅行中の転倒・ケガ予防チェックリスト

出発前と旅行中に、次の点を確認しておきましょう。
出発前
- 履き慣れた靴を用意する
- 動きやすい服装を選ぶ
- 絆創膏やガーゼを準備する
- 保険証やお薬手帳を持つ
- #8000や旅行先の相談先を確認する
- 旅行保険の連絡先を控える
ホテルで確認すること
- ベッドの端や家具の角に注意する
- スーツケースを通路に広げたままにしない
- 浴室や洗面所の濡れた床に注意する
- 湯沸かしポットやコード類を手の届きにくい場所に置く
- ベランダや窓まわりに注意する
外出中に気をつけること
- 人混みでは手をつなぐ
- 階段やエスカレーターでは急がせない
- 濡れた床や石畳ではゆっくり歩く
- 疲れる前に休憩を入れる
- 水分補給と軽食を準備する
- 写真撮影の前に足元を確認する
まとめ

旅行中は、子どもが普段と違う環境で過ごすため、転倒やケガが起こりやすくなります。
ホテルのベッドや浴室、駅や空港の階段、観光地の石畳や坂道、人混み、長時間の移動など、注意したい場面は多くあります。履き慣れた靴、動きやすい服装、こまめな休憩、手をつなぐこと、危ない場所を先に確認することが予防につながります。
転んでしまった場合は、意識、顔色、痛み、出血、腫れ、手足の動き、頭を打っていないかを確認しましょう。強い痛み、歩けない、何度も吐く、ぐったりしている、出血が止まらないなどがある場合は、早めに医療機関へ相談することが大切です。
旅行を安全に楽しむためにも、予定に余裕を持ち、子どもの疲れや足元に気を配りながら過ごしましょう。
参考文献・参考サイト
- こども家庭庁:こどもの事故防止ハンドブックについて
https://www.cfa.go.jp/policies/child-safety-actions/handbook - こども家庭庁:こどもを事故から守る!事故防止ポータルサイト
https://www.cfa.go.jp/policies/child-safety-actions - 消費者庁:こどもの事故防止
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/ - 消費者庁:家具やテレビの転倒に気を付けましょう
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_010/ - 日本小児科学会:子どもの予防可能な傷害と対策
https://www.jpeds.or.jp/general/40023.html - こどもの救急:こどもの事故と対策
https://kodomo-qq.jp/jiko/ - 厚生労働省:子ども医療電話相談事業(#8000)について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/newpage_55223.html