旅行中は、移動や観光で疲れて、ホテルに戻ったあとコンタクトレンズを外さないまま寝てしまいそうになることがあります。

少しだけのつもりで横になったら朝まで寝ていた、外す道具をスーツケースの奥に入れてしまった、洗面所に行くのが面倒だった。このような場面は、旅行中に意外と起こりやすいものです。

しかし、コンタクトレンズをつけたまま寝ると、角膜に負担がかかり、角膜感染症などの重いトラブルにつながることがあります。特に旅行中は、装用時間が長くなりやすく、手指やレンズケースの衛生管理も乱れやすいため注意が必要です。

ここでは、旅行中にコンタクトをつけたまま寝るリスクについて解説します。

コンタクトをつけたまま寝るのが危ない理由

コンタクトレンズをつけたまま寝ると、角膜に酸素が届きにくくなり、目の表面に負担がかかります。

角膜は透明な組織で、健康な状態を保つために酸素が必要です。コンタクトレンズを長時間つけたままにしたり、装用したまま眠ったりすると、角膜の表面が傷つきやすくなります。そこにレンズや手指、レンズケースなどから微生物が入り込むと、角膜感染症を起こすことがあります。

角膜感染症は、目の痛み、充血、目やに、まぶしさ、見えにくさなどを起こします。進行すると角膜に濁りや傷あとが残り、視力に影響することもあります。

特に、ソフトコンタクトレンズは水分を含むため、使い方を誤ると微生物が付着しやすくなります。寝る前に外すことは、コンタクトレンズを安全に使うための基本です。

旅行中は寝落ちしやすい条件がそろいやすい

旅行中は、コンタクトを外し忘れやすい状況が重なります。

朝から夜まで観光したあと、ホテルに戻ると一気に眠くなることがあります。移動疲れ、睡眠不足、慣れない環境、食事や飲酒、温泉や入浴後のリラックスなどが重なると、外す前に横になってしまいやすくなります。

また、旅行中はコンタクト用品を取り出しにくい場所にしまっていることもあります。保存ケース、洗浄液、メガネ、予備レンズをスーツケースの奥に入れてしまうと、面倒になって後回しにしがちです。

飛行機、新幹線、夜行バス、車内での仮眠にも注意が必要です。少し寝るだけと思っていても、予定より長く眠ってしまうことがあります。旅行中は、寝る可能性がある場面を前提に、早めにレンズを外すことが大切です。

つけたまま寝てしまったときの対応

コンタクトをつけたまま寝てしまった場合は、目が乾いてレンズが張り付いていることがあります。

起きてすぐに無理やり外そうとすると、角膜の表面を傷つけることがあります。まずは、目をこすらず、コンタクトレンズ用の人工涙液や装着液などで目を潤してから、ゆっくり外しましょう。水道水で目やレンズを洗うことは避けます。

レンズを外したあとは、その日はできるだけメガネで過ごし、目を休ませます。1日使い捨てレンズであれば、外したレンズは再使用せず捨てましょう。2週間交換や1か月交換のレンズでも、違和感がある場合は無理に再装用しないことが大切です。

目の痛み、充血、まぶしさ、見えにくさ、目やにがある場合は、ただの乾燥と決めつけず、早めに眼科へ相談しましょう。旅行中でも、コンタクトを再開するかどうかは慎重に判断する必要があります。

すぐに眼科相談を考えたいサイン

コンタクトをつけたまま寝たあと、次のような症状がある場合は、早めに眼科を受診しましょう。

目が強く痛い、白目が赤い、目やにが出る、涙が止まらない、光がまぶしい、視界がかすむ、メガネに替えても見えにくい、黒目に白い濁りや点が見える場合は注意が必要です。

角膜感染症では、症状が急に悪化することがあります。特に、痛みが強い、見え方が悪い、黒目に異常があるときは、旅行の予定より受診を優先した方が安全です。

また、片目だけ強く赤い、レンズを外しても違和感が続く、異物感が強い、涙や目やにが増える場合も、コンタクトレンズの使用を中止し、眼科に相談しましょう。

旅行中は、予定を変更する判断が難しいことがあります。しかし、角膜のトラブルは放置すると視力に関わることがあります。強い症状があるときは、自己判断でレンズを入れ直さないことが大切です。

寝落ちを防ぐための旅行前準備

旅行中の寝落ち対策は、出発前の準備でかなり楽になります。

まず、メガネを必ず持っていきましょう。コンタクトを外したあとに見えないと困るため、ホテルの中でも使いやすいメガネを準備します。予備のコンタクトレンズ、保存ケース、洗浄液、人工涙液、手指を清潔にするものも必要です。

ホテルに着いたら、洗面台やベッドサイドなど、すぐ手に取れる場所にコンタクト用品とメガネを置いておくと、外し忘れを減らしやすくなります。特に疲れている日は、入浴前や夕食前など、眠くなる前に外してしまうのも一つの方法です。

飛行機や新幹線で眠る可能性がある日は、乗る前にメガネへ替えると安心です。夜遅くまで移動する日や、長時間の移動がある日は、最初からメガネで過ごす選択も考えましょう。

旅行中に避けたいコンタクトの使い方

旅行中は、コンタクトレンズの扱いが普段より雑になりやすくなります。

たとえば、手を洗わずにレンズを触る、保存液をつぎ足して使う、レンズケースを長く交換していない、水道水でレンズやケースを洗う、使用期限や装用時間を守らないといった使い方は避けましょう。

プール、海、温泉、シャワーでも注意が必要です。コンタクトレンズをつけたまま水に触れると、感染リスクが高くなることがあります。水辺のアクティビティでは、度付きゴーグルやメガネの利用、使い捨てレンズの扱いなどを事前に考えておくと安心です。

また、目が赤い、痛い、かすむ、異物感があるときは、旅行中でもコンタクトを休むことが大切です。見た目が少し赤いだけと思っても、角膜に傷や感染が起きていることがあります。

旅行中のコンタクト寝落ち防止チェックリスト

旅行前とホテル到着後に、次の点を確認しておきましょう。

持ち物

  • メガネ
  • 予備のコンタクトレンズ
  • 保存ケース
  • 洗浄液
  • 人工涙液や装着液
  • 清潔なタオル
  • 手指消毒剤
  • お薬手帳
  • 保険証
  • 旅行保険の連絡先

ホテルでの工夫

  • 到着したらコンタクト用品をすぐ出す
  • メガネをベッドサイドに置く
  • 眠くなる前にレンズを外す
  • 入浴前や夕食前に外す習慣をつける
  • 横になる前に外したか確認する
  • 翌朝に目の痛みや充血がないか確認する

受診を考えたい症状

  • 強い目の痛み
  • 充血
  • 目やに
  • まぶしさ
  • 涙が止まらない
  • 視界がかすむ
  • メガネでも見えにくい
  • 黒目の白い濁り
  • レンズを外しても異物感が続く

まとめ

旅行中は、疲れや慣れない環境の影響で、コンタクトをつけたまま寝てしまうことがあります。

しかし、コンタクトレンズをつけたまま寝ると、角膜に酸素が届きにくくなり、角膜の傷や感染症のリスクが高まります。角膜感染症は、痛み、充血、目やに、まぶしさ、見えにくさを起こし、重い場合は視力に影響することもあります。

寝落ちを防ぐには、ホテルに着いたらコンタクト用品とメガネを出しておく、眠くなる前に外す、移動中に寝る可能性がある日はメガネに替えるなどの工夫が役立ちます。

もしつけたまま寝てしまった場合は、無理に外さず、目を潤してからゆっくり外し、その日はメガネで目を休ませましょう。痛み、充血、まぶしさ、見えにくさがある場合は、旅行中でも早めに眼科へ相談することが大切です。

参考文献・参考サイト

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