旅行中に虫に刺されたあと、赤く腫れたり、かゆみが強くなったりすると心配になることがあります。

屋外の観光、山歩き、海辺、キャンプ、公園、宿泊先の周辺などでは、蚊、ブヨ、アブ、ハチ、ダニなどに刺されることがあります。多くは数日で落ち着きますが、腫れが強い場合、痛みや熱感がある場合、全身症状が出る場合は注意が必要です。

虫刺されは、かゆみだけでなく、アレルギー反応、細菌感染、地域によっては感染症のきっかけになることもあります。

ここでは、旅行中の虫刺されで注意したいサインについて解説します。

虫刺されが腫れる理由

虫に刺されたあとに赤く腫れるのは、体が虫の唾液や毒などに反応するためです。

蚊に刺されたときの赤みやかゆみ、ブヨやアブに刺されたあとの強い腫れ、ハチに刺されたあとの痛みなど、虫の種類によって症状の出方は変わります。同じ虫に刺されても、腫れやかゆみの強さには個人差があります。

刺された直後にかゆみや赤みが出ることもあれば、翌日以降に腫れが目立ってくることもあります。子どもでは腫れが大きく見えることもあり、腕や足、まぶたなどでは特に目立つことがあります。

ただし、腫れがどんどん広がる、強い痛みがある、熱を持っている、膿が出る、発熱を伴う場合は、単なる虫刺されだけでなく、細菌感染なども考えます。

まずできる応急処置

虫に刺されたら、まず刺された場所を清潔にしましょう。

水道水と石けんでやさしく洗い、かゆみや腫れがある場合は、冷たいタオルやタオルで包んだ保冷剤で短時間冷やします。冷やすことで、かゆみや腫れが少し和らぐことがあります。

かきむしると皮膚が傷つき、細菌感染の原因になることがあります。子どもでは爪を短くしておく、寝ている間にかき壊さないようにするなどの工夫も役立ちます。

ハチに刺された場合は、針が残っていれば無理に深くつままず、できる範囲で取り除き、流水で洗います。強く腫れる、息苦しさがある、じんましんが広がる、気分が悪いなどの症状があれば、すぐに救急相談や医療機関への相談を考えます。

市販薬を使う場合は、年齢や部位に合ったものを選びましょう。目の周り、広い範囲、乳幼児、妊娠中、持病がある方では、薬剤師や医療機関に確認すると安心です。

注意したい腫れ方・皮膚の変化

虫刺されの腫れは、時間とともに少しずつ落ち着いていくことが多いです。

一方で、赤みや腫れが広がっている、触ると強く痛む、熱を持っている、皮膚が硬くなっている、水ぶくれができている、膿が出る、赤い線のようなものが皮膚に伸びている場合は注意が必要です。

かき壊したところから細菌が入り、皮膚の感染を起こすことがあります。特に、痛みが強い、腫れが急に悪化する、発熱がある、リンパ節が腫れる場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。

まぶた、唇、手足の指などは、少し腫れただけでも目立ちやすい部位です。ただし、目が開きにくいほど腫れている、口まわりが腫れる、息苦しさがある、飲み込みにくいなどの症状がある場合は、アレルギー反応の可能性も考えます。

旅行中は写真を撮っておくと、腫れが広がっているかどうかを比較しやすくなります。受診時にも経過を伝えやすくなります。

すぐに相談したい全身症状

虫刺されのあとに全身症状が出る場合は、早めの対応が必要です。

息苦しさ、ゼーゼーする、声がかすれる、のどが詰まる感じ、顔や唇の腫れ、全身のじんましん、強い腹痛、吐き気、嘔吐、めまい、意識がぼんやりするなどがある場合は、アナフィラキシーの可能性があります。

このような症状がある場合は、様子を見すぎず、すぐに救急要請を考えます。ハチに刺された後だけでなく、虫刺されや虫の毒に対して強いアレルギー反応が出ることがあります。

また、発熱、強いだるさ、関節痛、頭痛、発疹が広がるなどの症状がある場合も注意が必要です。特に海外旅行や山林、草むら、熱帯・亜熱帯地域への旅行後では、蚊やダニが媒介する感染症も考える必要があります。

虫刺されそのものが軽く見えても、全身症状がある場合は、旅行を続けることを優先せず、早めに相談しましょう。

海外旅行や山・草むらでは感染症にも注意する

旅行先によっては、虫刺されが感染症のきっかけになることがあります。

海外では、蚊が媒介するデング熱、マラリア、ジカウイルス感染症、チクングニア熱などに注意が必要な地域があります。旅行先によって流行状況が異なるため、渡航前に確認しておくことが大切です。

国内でも、山林や草むらではマダニに注意が必要です。マダニは皮膚にしっかり付着して吸血することがあり、無理に引き抜くと一部が皮膚に残ることがあります。マダニが付いていることに気づいた場合は、無理に取らず、医療機関に相談しましょう。

虫刺されのあとに発熱、発疹、強いだるさ、頭痛、筋肉痛などが出た場合は、いつ、どこへ旅行したか、山や草むらに入ったか、虫に刺されたかを医療機関で伝えましょう。

旅行中にできる虫刺され予防

虫刺されは、予防できる部分もあります。

屋外では、肌の露出を減らし、長袖、長ズボン、靴下、帽子などを使いましょう。草むらや山道では、サンダルよりも足を覆う靴が安心です。明るい色の服は、虫やダニが付いたときに気づきやすくなります。

虫よけ剤は、旅行先や年齢に合わせて選び、説明に沿って使いましょう。汗をかいた後、雨に濡れた後、長時間の外出では、必要に応じて塗り直します。子どもに使う場合は、大人の手に取ってから塗る、目や口の周り、傷のある場所を避けるなどの注意が必要です。

宿泊先では、網戸、蚊帳、エアコン、窓の開け閉めにも気をつけます。屋外で食べ物や甘い飲み物を広げると、ハチなどが寄ってくることがあります。ハチが近くに来たときは、手で払わず、静かに離れましょう。

旅行中の虫刺されチェックリスト

虫に刺されたときは、次の点を確認しましょう。

刺された直後に見ること

  • どこを刺されたか
  • 何に刺された可能性があるか
  • 赤みや腫れの範囲
  • 痛みとかゆみの強さ
  • 針やマダニが残っていないか
  • 息苦しさや気分不快がないか

受診・相談を考えたいサイン

  • 腫れがどんどん広がる
  • 強い痛みや熱感がある
  • 膿が出る
  • 水ぶくれが目立つ
  • 発熱がある
  • 赤い線のように広がる
  • 顔や唇が腫れる
  • 全身にじんましんが出る
  • 息苦しい、声がかすれる
  • めまい、ぐったり、意識がぼんやりする

旅行前に準備したいもの

  • 虫よけ剤
  • 長袖、長ズボン
  • 冷却用のタオルや保冷剤
  • かゆみ止めなどの外用薬
  • 常用薬
  • 保険証
  • お薬手帳
  • 旅行保険の連絡先

まとめ

旅行中の虫刺されは、赤みやかゆみだけで済むことも多いですが、腫れが強い、痛みや熱感がある、膿が出る、発熱を伴う場合は注意が必要です。

息苦しさ、顔や唇の腫れ、全身のじんましん、めまい、意識がぼんやりするなどがある場合は、アレルギー反応やアナフィラキシーの可能性もあるため、早めに救急相談や医療機関への相談を考えましょう。

海外旅行や山林、草むらでは、蚊やマダニが媒介する感染症にも注意が必要です。虫に刺された後に発熱や発疹、強いだるさが出た場合は、旅行先や行動内容を医療機関で伝えることが大切です。

虫刺されは、肌の露出を減らす、虫よけ剤を使う、草むらを避ける、宿泊先の環境を確認することで減らせることがあります。旅行を安心して楽しむために、予防と早めの対応を意識しましょう。

参考文献・参考サイト

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