旅行中は、移動の疲れや生活リズムの変化から、子どもが急に熱を出すことがあります。自宅ではない場所での発熱は不安が大きくなりやすいですが、まずはあわてず、子どもの様子を落ち着いて確認することが大切です。この記事では、旅行先で子どもが熱を出したときに確認したいポイント、旅先でできる対応、受診を考えたいサイン、旅行前にしておくと安心な準備について整理します。

旅行先で子どもが熱を出すことは珍しくない

移動や疲れで体調を崩しやすい

旅行では、長時間の移動や気温差、慣れない場所での活動などが重なり、子どもの体には思った以上に負担がかかります。特に小さな子どもは体力の余裕が大人ほど大きくないため、少しの疲れでも体調を崩しやすくなります。旅行先で熱が出ると驚いてしまいますが、まずは珍しいことではないと知っておくと、落ち着いて対応しやすくなります。

環境の変化で食事や睡眠も乱れやすい

旅行中は、食事の時間や内容が普段と変わったり、寝る時間が遅くなったりしやすくなります。ホテルや旅館では興奮してなかなか寝つけないこともありますし、昼寝のリズムが崩れる子もいます。こうした変化が重なると、体調を崩しやすくなることがあります。発熱そのものだけでなく、食欲や睡眠の乱れもあわせてみていくことが大切です。

まず確認したいこと

元気さはあるか

熱があると数字に目が行きがちですが、それ以上に大切なのが子どもの全体の様子です。少し熱があっても、機嫌が比較的よく、会話や反応がいつも通りで、遊ぶ元気が少しでもあるなら、あわてて受診が必要とは限りません。反対に、熱がそれほど高くなくても、ぼんやりしている、呼びかけへの反応が鈍い、ずっと横になっているといった様子があれば注意が必要です。

水分がとれているか

発熱時は汗をかきやすく、普段よりも体の水分が失われやすくなります。そのため、水分がとれているかはとても大切な確認ポイントです。一度にたくさん飲めなくても、少しずつでも飲めているかをみます。口の中が乾いている、涙が少ない、おしっこの回数が減っているといった様子があれば、脱水に注意したいところです。

呼吸が苦しくないか、ぐったりしていないか

発熱だけでなく、呼吸の様子も確認したいポイントです。息が速い、肩で息をしている、ゼーゼーしている、胸がペコペコへこむように見えるといった様子があれば、早めの相談を考えます。また、ぐったりして抱っこしても反応が乏しい、眠ってばかりで起こしにくい、顔色が悪いといった場合も注意が必要です。

宿や旅先でできる対応

無理に予定を詰めこまない

旅行中は、せっかく来たのだからと予定を続けたくなることもありますが、発熱したときは無理をさせないことが大切です。観光や食事の予定を見直し、まずは休むことを優先します。少し休めば落ち着くこともありますし、無理をしないことで悪化を防ぎやすくなります。

休める環境を整える

部屋の温度や衣服を調整し、子どもが休みやすい環境を整えます。暑がっているなら薄着にし、寒がっているなら軽く掛け物を使うなど、そのときの様子に合わせて調整します。無理に厚着をさせたり、反対に冷やしすぎたりせず、子どもが少しでも楽に過ごせる状態を目指すのが基本です。

水分を少しずつとる

発熱時は、水分を少量ずつこまめにとることが大切です。水、お茶、経口補水液、普段飲み慣れている飲み物など、飲みやすいものを少しずつ試します。一度にたくさん飲ませようとすると嫌がることもあるため、ひと口ずつでも続けることが大切です。食事は無理にしっかり食べさせようとせず、食べられそうなものを少しずつで構いません。

解熱剤を使うかは子どもの様子をみて考える

熱があること自体だけでなく、つらそうかどうかをみて解熱剤の使用を考えます。熱があっても比較的元気で水分がとれているなら、必ずしもすぐ使わなければならないわけではありません。一方で、ぐずりが強い、眠れない、水分がとりにくいなどつらそうな様子があるときには、普段使っている解熱剤があれば役立つことがあります。使用する際は、これまでに処方されたものや用法を確認して使うことが大切です。

受診を考えたいサイン

水分がとれない、尿が少ない

水分がほとんどとれない、おしっこが明らかに少ない、何度も吐いてしまうといった場合は、脱水の心配があります。旅先では様子をみすぎず、早めに医療機関への相談を考えたいところです。

呼吸が苦しそう、顔色が悪い

呼吸が速い、苦しそう、顔色や唇の色が悪いといった場合は、発熱以外の問題が隠れていることもあります。こうした様子があるときは、早めの受診が必要です。

ぐったりして反応が悪い

呼びかけても反応が弱い、ぐったりしている、目つきが普段と違う、抱っこしてもぐずる力がないといった場合も注意が必要です。単なる疲れと決めつけず、受診を考えます。

高熱が続く、けいれんがある

高い熱が続く場合や、けいれんを起こした場合は、旅行先であっても早めの対応が大切です。特にけいれんがあったときは、時間を確認し、落ち着いて医療機関へ相談します。

乳児での発熱は早めに相談したい

月齢の低い赤ちゃんでは、発熱そのものが早めの相談につながることがあります。年齢が小さいほど注意が必要なこともあるため、乳児の発熱では自己判断で様子をみすぎないことが大切です。

旅行前にしておくと安心な準備

母子手帳や保険証、医療証を持参する

旅行中に受診が必要になったとき、持ち物がそろっていると対応しやすくなります。母子手帳や健康保険証、医療証、お薬手帳などは、まとめて持っておくとよいでしょう。

普段使っている薬や体温計を準備する

解熱剤や普段使っている薬、体温計があると、旅先でも落ち着いて対応しやすくなります。特に、以前に処方された解熱剤を使うことがある家庭では、使用期限や残量も事前に確認しておくと安心です。        

旅先の医療機関や相談先を調べておく

近くの小児科、休日夜間診療、宿泊先の近隣医療機関などをあらかじめ調べておくと、いざというときに慌てにくくなります。宿によっては近隣の医療機関を案内してくれることもあるため、フロントに確認できるようにしておくのもよい方法です。

キャンセルや予定変更も想定しておく

子ども連れの旅行では、予定通りにいかないことも珍しくありません。体調不良時には休むことを優先できるよう、あらかじめ予定を詰めこみすぎないことも大切です。少し余白のある旅行計画にしておくと、親の気持ちにも余裕が生まれます。

まとめ

旅行先で子どもが熱を出すと不安になりますが、まず大切なのは熱の数字だけでなく、元気さ、水分摂取、呼吸の様子を落ち着いてみることです。旅先では無理に予定を続けず、休める環境を整えながら少しずつ水分をとることが基本になります。そのうえで、ぐったりしている、水分がとれない、呼吸が苦しそうといったサインがあれば受診を考えます。旅行前に持ち物や相談先を準備しておくことで、いざというときにも対応しやすくなります。

参考文献

小児の発熱について

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