旅行や帰省で長距離ドライブをすると、目的地に着く前から疲れてしまうことがあります。

「車に長く乗るとぐったりする」「運転後に頭痛や肩こりが出る」「子どもや高齢の家族が体調を崩さないか心配」と感じる方もいるでしょう。

車移動では、長時間同じ姿勢でいること、睡眠不足、脱水、車内の暑さや寒さ、渋滞によるストレスなどが重なりやすくなります。運転する人だけでなく、同乗者も体調を崩すことがあります。

ここでは、長距離ドライブで体調を崩さないための工夫について解説します。

長距離ドライブで疲れやすい理由

長距離ドライブでは、ただ座っているだけでも体に負担がかかります。運転する人は集中力を使い続け、同乗者も姿勢の固定や車内環境の影響を受けます。

ここでは、長距離ドライブで疲れやすい理由について解説します。

同じ姿勢が長く続く

車の中では、座った姿勢が長時間続きます。

同じ姿勢が続くと、首、肩、腰、足に負担がかかりやすくなります。特に、腰を丸めた姿勢、足を動かしにくい姿勢、荷物で足元が狭い状態では、疲れやむくみを感じやすくなります。

長時間足を動かさない状態では、足の血流が悪くなることもあります。長距離移動では、ときどき休憩を入れて体を動かすことが大切です。

運転中は集中力を使い続ける

運転では、前方確認、車間距離、速度、標識、周囲の車や歩行者への注意など、常に多くの情報を処理しています。

高速道路では単調な景色が続くことで眠気が出ることがあり、一般道では信号や歩行者、自転車への注意が続きます。渋滞では進まないストレスも加わります。

体はあまり動かしていなくても、脳は働き続けています。長距離ドライブ後に強い疲れを感じるのは、運転中の緊張や集中が続いていることも関係します。

車内環境の影響を受ける

車内の温度、湿度、換気、におい、振動、光のまぶしさなども体調に影響します。

夏は車内が暑くなりやすく、冬は暖房で乾燥しやすくなります。エアコンの風が直接当たると、喉や目が乾くこともあります。長時間の揺れやカーブでは、乗り物酔いが起こることもあります。

長距離ドライブ前にできる準備

長距離ドライブで体調を崩さないためには、出発してからの工夫だけでなく、前日からの準備も大切です。

ここでは、長距離ドライブ前にできる準備について解説します。

前日は睡眠をしっかり取る

睡眠不足のまま長距離運転をすると、眠気、集中力低下、判断の遅れにつながりやすくなります。

出発前日は、荷造りやルート確認を早めに済ませ、できるだけ睡眠時間を確保しましょう。早朝出発の場合は、前日の夜までに荷物や持ち物を整えておくと、当日の慌ただしさを減らせます。

運転者が眠い状態で出発するくらいなら、出発時間を少し遅らせる判断も大切です。旅行は、早く着くことより安全に着くことが優先です。

ルートと休憩場所を決めておく

長距離ドライブでは、出発前にルートだけでなく休憩場所も確認しておきましょう。

高速道路では、サービスエリアやパーキングエリアの間隔が長い区間もあります。子どもや高齢者がいる場合、トイレ、授乳室、食事場所、休めるスペースがあるかを見ておくと安心です。

休憩は「疲れたら考える」より、「先に予定に入れておく」方が実行しやすくなります。

体調管理グッズを手元に置く

車移動では、荷物をトランクに入れてしまうと、必要なときにすぐ取り出せないことがあります。

体調管理に関わるものは、座席近くの小さなバッグにまとめておくと便利です。

  • 水やお茶
  • 軽いおやつ
  • 常用薬
  • 酔い止め薬
  • 体温計
  • ウェットティッシュ
  • エチケット袋
  • タオル
  • マスク
  • 保険証や医療証
  • モバイルバッテリー
  • 着替え

特に子連れや高齢者との移動では、体調が変わったときにすぐ対応できる準備が安心につながります。

休憩の取り方

長距離ドライブで体調を崩さないために、休憩はとても重要です。ただ車を止めるだけでなく、体を動かし、気分を切り替える時間にすることが大切です。

ここでは、休憩の取り方について解説します。

2時間に1回を目安に休む

長距離運転では、2時間に1回程度の休憩を目安にしましょう。

疲れや眠気を感じてから休むのでは、すでに集中力が落ちていることがあります。渋滞や天候によっても疲れ方は変わるため、疲れを感じたら早めに休みます。

休憩は10〜15分でもよいので、車から降りて体を動かすことが大切です。サービスエリアやパーキングエリアでは、トイレだけで終わらせず、少し歩く時間を作ると体がリセットされやすくなります。

休憩中は車から降りて体を動かす

休憩中も車内に座ったままだと、姿勢や血流の面ではあまり変化がありません。

休憩時には、車から降りて歩く、肩を回す、背伸びをする、ふくらはぎを動かすなど、軽く体を動かしましょう。足首の上げ下げや、かかとの上げ下ろしも取り入れやすい動きです。

長時間座り続けると足の血流が悪くなり、血栓のリスクに関わることがあります。車移動でも、こまめな体操、ストレッチ、水分補給、締めつけの少ない服装などを意識するとよいでしょう。

眠気があるときは無理に走らない

眠気があるときは、カフェインだけで乗り切ろうとしないことが大切です。

コーヒーやお茶で一時的に眠気が軽くなることはありますが、強い眠気がある場合は、安全な場所に停車して休む必要があります。短時間でも仮眠を取ると回復しやすいことがあります。

眠気を感じながら運転を続けるのは危険です。次の休憩場所まで無理に進まず、早めに安全な場所で休みましょう。

車内でできる体調管理

休憩の合間にも、車内でできる体調管理があります。運転者は安全を最優先にしながら、同乗者も無理なく過ごせるように環境を整えましょう。

ここでは、車内でできる体調管理について解説します。

水分をこまめに取る

長距離ドライブでは、トイレを気にして水分を控えてしまうことがあります。

しかし、水分不足は、頭痛、だるさ、集中力の低下、脱水につながることがあります。特に夏場や暖房を使う季節は、思っているより水分が不足しやすくなります。

一度にたくさん飲むより、少量ずつこまめに飲むのがおすすめです。運転者も同乗者も、休憩のタイミングで水分を取る習慣にしておくとよいでしょう。

車内温度を調整する

車内が暑すぎる、寒すぎる、乾燥しすぎると、体調不良につながることがあります。

夏は車内の温度上昇に注意し、休憩時に子どもや高齢者を車内に残さないようにします。冬は暖房で眠気や乾燥が出やすくなるため、温度を上げすぎないようにします。

エアコンの風が顔に直接当たると、目や喉が乾きやすくなります。風向きを調整し、必要に応じてマスクや目薬、のど飴などを使うと過ごしやすくなります。

ときどき換気する

長時間窓を閉め切っていると、車内の空気がこもることがあります。

外気導入にする、休憩時にドアを開けて空気を入れ替えるなど、定期的に換気を意識しましょう。眠気や頭痛を感じる場合、車内環境が影響していることもあります。

ただし、高速道路走行中に大きく窓を開けると風や音で運転に影響することがあるため、安全に配慮して調整します。

運転者が疲れにくくする工夫

長距離ドライブでは、運転者の体調管理が特に重要です。運転者が疲れていると、同乗者全員の安全に関わります。

ここでは、運転者が疲れにくくする工夫について解説します。

正しい姿勢で運転する

運転姿勢が崩れていると、首、肩、腰、足に負担がかかります。

シートは、ペダルを無理なく踏める位置に調整し、背中が背もたれにつくようにします。ハンドルを握ったときに腕が伸びきらず、肩に力が入りすぎない姿勢が目安です。

腰がつらい場合は、クッションやタオルで腰を支えると楽になることがあります。ただし、運転操作に支障が出るような位置には置かないようにします。

交代できる場合は早めに交代する

複数人が運転できる場合は、疲れ切ってから交代するのではなく、早めに交代しましょう。

「まだ大丈夫」と思っていても、判断力や集中力は少しずつ落ちることがあります。交代できる人がいる場合は、あらかじめ交代地点を決めておくとスムーズです。

同乗者は、運転者が眠そうにしている、会話が減っている、車線がふらつく、速度が不安定といった変化に気づいたら、早めに休憩を提案しましょう。

運転支援機能に頼りすぎない

車間距離制御装置などの運転支援機能は、長距離運転の疲労軽減に役立つ場合があります。

ただし、運転支援機能は万能ではありません。雨で路面が滑りやすいとき、急な割り込み、工事区間、視界不良などでは、運転者自身の注意が必要です。

便利な機能は使いつつ、最終的には自分で周囲を確認する意識を持ちましょう。

同乗者が疲れにくくする工夫

車移動では、運転者だけでなく同乗者も疲れます。特に子ども、高齢者、妊娠中の方、体調に不安がある方では、休憩や姿勢の工夫が大切です。

ここでは、同乗者が疲れにくくする工夫について解説します。

足元に余裕を作る

同乗者の足元に荷物が多いと、足を動かしにくくなります。

足を伸ばせない、膝を曲げたままになる、足首を動かせない状態が続くと、むくみや疲れにつながります。よく使う荷物だけを手元に置き、大きな荷物はトランクに入れるなど、足元のスペースを確保しましょう。

長時間座る場合は、足首を回す、かかとを上げ下げする、休憩時に歩くなど、血流を意識した動きを取り入れるとよいでしょう。

首や腰を支える

車内で眠ると、首が前に倒れたり、体が横に傾いたりして、到着後に首や肩が痛くなることがあります。

ネックピロー、薄手のクッション、タオルなどを使って、首や腰を支えると楽に過ごしやすくなります。子どもでは、チャイルドシートやジュニアシートが体格に合っているかも確認しましょう。

スマホや読書を続けすぎない

車内でスマートフォンや本を見続けると、目の疲れや乗り物酔いにつながることがあります。

酔いやすい方は、画面を見る時間を短くし、遠くの景色を見る、音楽を聞く、目を閉じるなどの過ごし方に変えてみましょう。子どもにも、動画を見せ続けるより、休憩や景色を見る時間を作ると負担を減らしやすくなります。

子どもや高齢者との長距離ドライブ

子どもや高齢者と一緒に長距離ドライブをする場合は、予定に余裕を持たせることが大切です。大人だけの移動より、休憩や体調確認の回数を増やすと安心です。

ここでは、子どもや高齢者との長距離ドライブについて解説します。

子どもは早めに休憩を入れる

子どもは、眠い、暑い、気持ち悪い、退屈といった不快感をうまく言葉にできないことがあります。

機嫌が悪くなる、顔色が悪い、黙り込む、あくびが増える、汗をかくなどの変化がある場合は、早めに休憩を入れましょう。乗り物酔いが心配な子どもでは、出発前の食事を軽めにし、スマホや読書を控える工夫も役立ちます。

チャイルドシートやジュニアシートは、年齢や体格に合わせて正しく使うことが大切です。安全面の基本は、体調管理の前提になります。

高齢者はトイレと水分を意識する

高齢者は、トイレを気にして水分を控えてしまうことがあります。

しかし、水分不足は、脱水、頭痛、だるさ、便秘、めまいにつながることがあります。こまめに水分を取り、トイレに行きやすいタイミングで休憩を入れましょう。

また、足腰に不安がある場合は、駐車場からトイレまでの距離が短い休憩場所を選ぶと負担を減らせます。

体調不良があるときは無理に出発しない

発熱、強い咳、嘔吐、下痢、強い頭痛、めまい、息苦しさなどがある場合は、長距離ドライブを延期する判断も必要です。

車移動は自由に見えて、途中で受診先を探すのに時間がかかることがあります。体調が悪いまま出発すると、移動の負担で悪化することもあります。

受診や相談を考えたい症状

長距離ドライブ中や到着後の体調不良は、多くの場合、休息や水分補給で落ち着くこともあります。一方で、早めに医療機関へ相談した方がよい症状もあります。

ここでは、受診や相談を考えたい症状について解説します。

強い胸痛や息苦しさがある

急な胸の痛み、息苦しさ、冷や汗、動悸、失神しそうな感じがある場合は、早めに救急相談や医療機関への受診を考えます。

長時間座った後に、片足の腫れや痛みがあり、その後に息苦しさや胸痛が出る場合も注意が必要です。車移動だから大丈夫、というわけではありません。

片足だけ強く腫れる

両足が軽くむくむことはありますが、片足だけ強く腫れる、ふくらはぎが痛い、赤みや熱感がある場合は注意が必要です。

長時間座り続けた後にこのような症状がある場合は、深部静脈血栓症なども考えます。無理にマッサージを続けるより、医療機関へ相談することが大切です。

脱水や熱中症が疑われる

強い口の渇き、尿が少ない、めまい、頭痛、吐き気、ぐったりしている、意識がぼんやりするなどがある場合は、脱水や熱中症に注意します。

涼しい場所で休み、水分や塩分を取れる場合は少しずつ補給します。水分が取れない、意識がぼんやりしている、症状が強い場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。

長距離ドライブ前のチェックリスト

長距離ドライブでは、出発前、休憩、車内環境、体調確認に分けて準備すると抜け漏れを減らせます。

出発前の確認

  • 前日は睡眠を取った
  • ルートを確認した
  • 休憩場所を決めた
  • 渋滞しやすい時間帯を確認した
  • 車の点検をした
  • 常用薬を手元に入れた
  • 水分や軽食を準備した
  • 子どもや高齢者の体調を確認した

車内環境の確認

  • 足元に荷物を置きすぎていない
  • 車内温度を調整できる
  • エアコンの風向きを調整した
  • 休憩時に換気する予定がある
  • エチケット袋やウェットティッシュがある
  • 充電器やモバイルバッテリーがある

休憩時の確認

  • 2時間に1回を目安に休む
  • 疲れたら早めに休む
  • 車から降りて歩く
  • 肩や腰を軽く動かす
  • 水分を取る
  • トイレを済ませる
  • 子どもや高齢者の様子を見る

まとめ

長距離ドライブでは、長時間同じ姿勢でいること、睡眠不足、脱水、車内環境、渋滞のストレスなどが重なり、体調を崩しやすくなることがあります。

体調を守るためには、前日の睡眠、余裕のあるルート、2時間に1回を目安にした休憩、こまめな水分補給、車内温度の調整、足や腰を動かすことが大切です。

運転者は、眠気や疲れを感じたら無理に走り続けず、安全な場所で休みましょう。同乗者も、足元のスペース、姿勢、水分補給、乗り物酔いへの対策を意識すると過ごしやすくなります。

子どもや高齢者と一緒の旅行では、予定を詰め込みすぎず、休憩を多めに入れると安心です。長距離ドライブは、目的地で楽しむための大切な移動時間です。無理なく休みながら、体調を崩しにくい旅にしていきましょう。

参考文献・参考サイト

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