子連れ旅行で気をつけたい熱中症対策
子連れ旅行では、子どもが暑さで体調を崩さないか心配になることがあります。
夏の観光地、テーマパーク、海、山、屋外イベント、海外の暑い地域では、普段より長く屋外で過ごすことが増えます。子どもは遊びに夢中になると、暑さやのどの渇き、疲れをうまく伝えられないことがあります。
熱中症は、暑い環境で体温調節がうまくいかなくなり、めまい、頭痛、吐き気、だるさ、ぐったりする、意識がぼんやりするなどの症状を起こします。子どもでは、機嫌が悪い、元気がない、顔色が悪い、歩きたがらないといった変化で気づくこともあります。
ここでは、子連れ旅行で気をつけたい熱中症対策について解説します。
子どもは大人より暑さの影響を受けやすい

子どもは、大人より暑さの影響を受けやすいことがあります。
体が小さいため、外の暑さの影響を受けやすく、体調の変化も早く出ることがあります。また、地面に近い高さで過ごすため、アスファルトやコンクリートからの照り返しを受けやすい点にも注意が必要です。
子どもは遊びに夢中になると、のどの渇きや疲れを後回しにしがちです。自分から「休みたい」「水を飲みたい」と言えない年齢では、大人が先回りして休憩や水分補給を促す必要があります。
旅行中は、子どもが元気そうに見えても、暑さ、疲れ、睡眠不足、移動の負担が重なっています。大人の感覚より早めに休ませることが大切です。
暑い時間帯の観光は無理に詰め込まない

子連れ旅行では、暑い時間帯の屋外観光を詰め込みすぎないようにしましょう。
昼前後から午後にかけては、日差しが強く、地面からの照り返しも強くなりやすい時間帯です。屋外を歩く観光、行列に並ぶ予定、日陰の少ない公園やテーマパークは、子どもにとって大きな負担になることがあります。
屋外の予定は午前中や夕方に回し、暑い時間帯は屋内施設、カフェ、レストラン、ホテルで休む時間にするのがおすすめです。予定を立てる段階で、休憩できる場所、冷房のある場所、授乳室やおむつ替えスペース、飲み物を買える場所を確認しておくと安心です。
旅行では予定通りに回りたくなりますが、暑い日は予定を一つ減らす判断も大切です。子どもの体調を優先する方が、旅行全体を無理なく楽しみやすくなります。
水分補給は「のどが渇く前」に促す

子どもの熱中症対策では、こまめな水分補給が大切です。
のどが渇いてから飲むのではなく、時間を決めて少しずつ飲ませましょう。観光前、移動前、待ち時間、食事の前後、トイレ休憩のタイミングなど、水分補給の声かけを習慣にすると忘れにくくなります。
汗を多くかいたときは、水分だけでなく塩分も失われます。状況に応じて、経口補水液、スポーツドリンク、塩分を含む食品などを使うことがあります。ただし、経口補水液は体調不良時や汗を多くかいたときに使うものとして考え、普段の飲み物として大量に飲ませ続ける必要はありません。
乳幼児では、授乳やミルクの回数、尿の回数、機嫌、唇や口の乾きにも注意しましょう。尿が少ない、ぐったりしている、飲みたがらない場合は、早めに休ませて相談を考えます。
ベビーカー・抱っこ・車内は熱がこもりやすい

子連れ旅行では、ベビーカー、抱っこひも、車内の暑さにも注意が必要です。
ベビーカーは地面に近いため、照り返しの影響を受けやすくなります。日よけを使っていても、風通しが悪くなると熱がこもることがあります。長時間同じ姿勢で座っていると、子どもが暑さを訴えにくいこともあります。
抱っこひもは、大人と子どもの体が密着するため、熱がこもりやすくなります。大人が暑いと感じるときは、子どもはさらに暑さを感じている可能性があります。日陰で休む、保冷剤を安全に使う、こまめに降ろして休ませるなどの工夫が必要です。
車内では、短時間でも子どもを置いたままにしないことが重要です。車内は急に高温になることがあります。荷物の出し入れや支払いのための短い時間でも、子どもだけを車に残さないようにしましょう。
服装・帽子・冷却グッズで暑さを減らす

子どもの服装は、暑さを逃がしやすいものを選びましょう。
通気性のよい服、吸汗速乾素材の服、ゆったりした服が向いています。汗で濡れた服をそのままにすると、体温調節がしにくくなったり、冷房の効いた場所で冷えたりすることがあるため、着替えも持っておくと安心です。
帽子は日差しを避けるのに役立ちます。ただし、帽子の中に熱がこもることもあるため、日陰や屋内では一度外して休ませましょう。首まわりを冷やせるタオルや、冷却シート、保冷剤なども使えますが、冷やしすぎや直接肌に長時間当てることは避けます。
サンダルや薄い靴では、暑い地面の熱や長時間歩行で疲れやすくなることがあります。長く歩く日は、履き慣れた靴を選び、足の疲れも含めて無理をさせないようにしましょう。
子どもの熱中症サインを早めに見つける

子どもの熱中症は、早めに気づくことが大切です。
注意したい変化には、顔が赤い、顔色が悪い、汗が多い、汗が出ない、元気がない、機嫌が悪い、歩きたがらない、頭痛を訴える、吐き気がある、ぼーっとしている、ぐったりしているなどがあります。
小さな子どもでは、言葉で症状を説明できないことがあります。いつもより反応が弱い、抱っこを嫌がらない、眠そうにしている、飲み物を飲まない、尿が少ないといった変化にも注意しましょう。
暑い場所でこのような変化があれば、すぐに涼しい場所へ移動します。衣服をゆるめ、首、わきの下、足の付け根などを冷やし、飲める状態であれば水分と塩分を少しずつ補給します。
受診や救急相談を考えたいサイン

子どもの熱中症が疑われるときは、様子を見すぎないことが大切です。
意識がぼんやりしている、呼びかけへの反応が悪い、けいれんがある、自分で水分を飲めない、何度も吐く、ぐったりしている、体がとても熱い、涼しい場所で休んでも改善しない場合は、救急要請を考えます。
強い頭痛、吐き気、腹痛、歩けない、尿が少ない、泣いても涙が少ない、口や唇が乾いている場合も注意が必要です。乳幼児や持病がある子どもでは、早めに医療機関へ相談しましょう。
国内では、判断に迷う場合に小児救急電話相談の#8000を利用できることがあります。旅行先では、宿泊先のフロント、観光施設のスタッフ、地域の救急相談、医療機関検索も活用しましょう。緊急性が高い場合は119番に連絡します。
子連れ旅行の熱中症対策チェックリスト

旅行前と旅行中に、次の点を確認しておきましょう。
出発前
- 行き先の気温・湿度・天気を確認する
- 暑さ指数を確認する
- 昼の屋外予定を詰め込みすぎない
- 屋内で休める場所を調べる
- 飲み物や経口補水液を準備する
- 帽子、着替え、冷却タオルを用意する
- 保険証やお薬手帳を持つ
- #8000や旅行先の相談先を確認する
観光中
- のどが渇く前に水分を取らせる
- 汗を多くかいたら塩分も補う
- 日陰や冷房のある場所で休む
- 暑い時間帯の屋外移動を減らす
- ベビーカーや抱っこひもの暑さに注意する
- 子どもの顔色、機嫌、汗、尿の回数を見る
- 無理なら予定を減らす
受診・救急相談を考えたい症状
- 意識がぼんやりしている
- 呼びかけへの反応が悪い
- 自分で水分を飲めない
- けいれんがある
- 何度も吐く
- 体がとても熱い
- ぐったりしている
- 尿が少ない
- 涼しい場所で休んでも改善しない
まとめ

子連れ旅行では、子どもの熱中症対策を早めに考えておくことが大切です。
子どもは暑さの影響を受けやすく、遊びに夢中になると、のどの渇きや疲れをうまく伝えられないことがあります。ベビーカー、抱っこひも、車内、テーマパーク、屋外観光などでは、熱がこもりやすく、暑さの負担が大きくなりやすいです。
予防には、暑い時間帯の屋外観光を避ける、こまめに水分と塩分を補給する、日陰や冷房のある場所で休む、通気性のよい服装を選ぶ、無理なら予定を減らすことが大切です。
元気がない、顔色が悪い、歩きたがらない、吐き気がある、ぐったりしているなどの変化があれば、早めに涼しい場所で休ませましょう。意識がぼんやりしている、自分で水分を飲めない、けいれんがある、症状が改善しない場合は、救急要請を考えましょう。
参考文献・参考サイト
- 厚生労働省:熱中症予防のための情報・資料サイト
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/nettyuu_taisaku/ - 厚生労働省:熱中症予防のために
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170795.html - 環境省:熱中症予防情報サイト
https://www.wbgt.env.go.jp/ - 環境省:暑さ指数について
https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt.php
- 厚生労働省:子ども医療電話相談事業(#8000)についてhttps://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/newpage_55223.html