旅行中の脱水を防ぐためにできること
暑い旅行先では、観光や移動に夢中になっているうちに、思った以上に汗をかいていることがあります。
特に、夏の屋外観光、テーマパーク、海やプール、登山、街歩き、海外旅行などでは、気温や湿度が高く、体の水分が失われやすくなります。飛行機や新幹線、ホテルの室内でも、空調によって体が乾きやすくなることがあります。
脱水は、のどの渇きだけでなく、だるさ、頭痛、めまい、立ちくらみ、尿が少ない、口が乾くなどの症状として現れることがあります。重くなると熱中症につながることもあるため、旅行中は早めの対策が大切です。
ここでは、旅行中の脱水を防ぐためにできることについて解説します。
旅行中に脱水が起こりやすい理由

旅行中は、普段より脱水になりやすい条件が重なります。
まず、歩く時間が長くなります。観光地では、駅から目的地まで歩いたり、屋外で待ち時間があったりして、気づかないうちに汗をかきます。写真を撮ったり、食事場所を探したりしているうちに、水分補給が後回しになることもあります。
また、トイレを気にして水分を控える方もいます。移動中や観光中は、トイレの場所が分からないことがあり、水分を少なめにしたくなることがあります。しかし、水分を控えすぎると脱水や立ちくらみにつながることがあります。
さらに、暑さ、湿度、寝不足、飲酒、下痢や嘔吐も脱水の原因になります。旅行中は食事や生活リズムが変わりやすいため、いつもより体調の変化に気づきにくくなります。
脱水のサインを早めに確認する

脱水は、強いのどの渇きが出る前から始まっていることがあります。
旅行中に、口が乾く、尿の色が濃い、尿の回数が少ない、頭痛がする、だるい、めまいがする、立ち上がるとふらつくといった症状があれば、脱水のサインかもしれません。
子どもや高齢者では、のどの渇きをうまく伝えられなかったり、暑さを感じにくかったりすることがあります。子どもでは、元気がない、汗のかき方がいつもと違う、尿が少ない、機嫌が悪いなどに注意します。高齢者では、ぼんやりする、食欲が落ちる、いつもより反応が鈍いといった変化にも気をつけましょう。
旅行中は、楽しい予定に意識が向きやすく、体からのサインを見逃しがちです。水分補給は、スマホの充電と同じで、切れてから慌てるより、早めに足しておく方が安心です。
旅行中の水分補給で意識したいこと

脱水を防ぐには、のどが渇く前に少しずつ飲むことが大切です。
一度にたくさん飲むより、移動前、休憩中、食事中、観光の合間などにこまめに飲む方が続けやすくなります。水や麦茶などを持ち歩き、バッグからすぐ取り出せる場所に入れておきましょう。
汗をたくさんかく場合は、水分だけでなく塩分も意識します。長時間の屋外観光、スポーツ、ハイキング、海やプールなどでは、塩分を含む飲み物や塩分タブレット、食事での塩分補給を考えます。環境省の暑さ指数の目安でも、暑さが強い状況では水分・塩分補給や休憩が重要とされています。
一方で、アルコールは水分補給の代わりにはなりません。旅行中はお酒を飲む機会もありますが、飲酒後は水や経口補水液などを別に取ることを意識しましょう。
暑い場所での過ごし方を工夫する

脱水を防ぐには、水分を取るだけでなく、暑さを避けることも大切です。
屋外観光では、日傘や帽子を使い、日陰を選んで歩きます。こまめに休憩し、涼しい屋内施設、カフェ、駅ビル、ホテルのロビーなどを上手に使いましょう。厚生労働省も、屋外では日傘や帽子、日陰の利用、こまめな休憩を勧めています。
服装は、通気性がよく、吸湿性・速乾性のあるものを選びます。黒っぽい服や厚手の服は暑さを感じやすいことがあります。首元を冷やせるタオル、冷却グッズ、携帯扇風機なども、状況によって役立ちます。
暑さ指数や熱中症警戒アラートも確認しておくと安心です。環境省の熱中症予防情報サイトでは、暑さ指数や熱中症予防に関する情報が確認できます。
受診や相談を考えたいサイン

旅行中の脱水は、早めに対応すれば改善することもありますが、症状が強い場合は医療機関への相談が必要です。
水分を取れない、嘔吐や下痢が続く、尿がほとんど出ない、強いめまいやふらつきがある、ぐったりしている、意識がぼんやりする、高熱がある場合は、早めに受診を考えましょう。
特に、子ども、高齢者、妊娠中の方、持病がある方は注意が必要です。糖尿病、腎臓病、心臓病がある方や、利尿薬などを使っている方では、脱水が体調悪化につながることがあります。
旅行先では、普段のかかりつけ医にすぐ相談できないことがあります。迷ったときは、ホテルスタッフ、施設スタッフ、旅行保険の相談窓口、救急相談窓口などを活用しましょう。
旅行中の脱水予防チェックリスト

旅行中は、出発前、移動中、観光中に分けて確認すると準備しやすくなります。
出発前の確認
- 水やお茶を持ったか
- 経口補水液や塩分補給できるものを用意したか
- 帽子、日傘、羽織りものを準備したか
- 暑さ指数や天気を確認したか
- 休憩できる場所を確認したか
- 持病や常用薬がある場合、注意点を確認したか
移動中・観光中の確認
- のどが渇く前に飲んでいるか
- 尿の回数や色に変化はないか
- 汗をかいた後に水分と塩分を取っているか
- 日陰や涼しい場所で休んでいるか
- 頭痛、めまい、だるさがないか
- 子どもや高齢者に声をかけているか
受診を考えるサイン
- 水分が取れない
- 嘔吐や下痢が続く
- 尿がほとんど出ない
- 強いめまいやふらつきがある
- ぐったりしている
- 意識がぼんやりしている
- 高熱がある
まとめ

旅行中の脱水は、暑さ、長時間の移動、屋外観光、汗、飲酒、下痢や嘔吐などが重なることで起こりやすくなります。
予防の基本は、のどが渇く前にこまめに水分を取ることです。汗をたくさんかく場合は、水分だけでなく塩分も意識しましょう。日傘や帽子を使う、日陰を歩く、涼しい場所で休むなど、暑さを避ける工夫も大切です。
子どもや高齢者、妊娠中の方、持病がある方は、脱水に気づきにくかったり、体調が悪化しやすかったりすることがあります。旅行中は、予定を詰め込みすぎず、休憩と水分補給を先に予定に入れておくと安心です。
水分が取れない、尿が少ない、ぐったりしている、意識がぼんやりするなどの症状がある場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。
参考文献・参考サイト
- 厚生労働省:熱中症を防ぎましょう
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/nettyuu_taisaku/prevent.html - 厚生労働省:熱中症予防のための情報・資料サイト
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/nettyuu_taisaku/ - 環境省:熱中症予防情報サイト
https://www.wbgt.env.go.jp/ - 環境省:暑さ指数(WBGT)について
https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt.php - 厚生労働省:上手な医療のかかり方.jp
https://kakarikata.mhlw.go.jp/