海外旅行は楽しみな一方で、「現地で体調を崩したらどうしよう」「病院に行くことになったら言葉は通じるのか」「薬はどう準備すればいいのか」と不安になる方も多いと思います。

特に海外では、日本と医療制度、衛生環境、流行している感染症、薬の入手方法が異なります。旅行先で慌てないためには、出発前の準備が大切です。

この記事では、海外旅行前に確認しておきたい健康・医療チェックリストを紹介します。

海外旅行前に健康状態を確認する

持病がある方は早めに主治医へ相談する

高血圧、糖尿病、喘息、心臓病、てんかん、精神疾患、妊娠中、免疫を抑える薬を使っている方などは、旅行前に主治医へ相談しておくと安心です。

旅行中は、睡眠不足、長時間移動、時差、食事の変化、気温差などで体調が崩れやすくなります。慢性疾患がある場合、こうした変化が症状悪化のきっかけになることがあります。

主治医に相談するときは、以下を伝えておくとスムーズです。

  • 渡航先
  • 旅行期間
  • 飛行機の移動時間
  • 現地での活動内容
  • 持病や服薬内容
  • 旅行中に不安な症状

渡航先の医療事情を確認する

現地で病院にかかれるかを調べておく

海外では、地域によって医療水準や受診方法が大きく異なります。

都市部では医療機関が見つかりやすくても、地方や離島では受診先が限られることがあります。

外務省の「世界の医療事情」では、国や地域ごとの医療事情、かかりやすい病気、医療機関情報などが掲載されています。ただし、現地事情は変化するため、渡航前には最新情報もあわせて確認する必要があります。

確認しておきたいポイントは以下です。

  • 日本語対応・英語対応の医療機関があるか
  • 旅行先周辺に救急対応できる病院があるか
  • 医療費の支払い方法
  • 救急車の呼び方
  • 滞在先から病院までの移動手段
  • 夜間・休日の受診先

海外で体調を崩してから検索するのは、地味にしんどいです。

感染症情報を確認する

渡航先で流行している病気をチェックする

海外には、日本ではあまり見られない感染症があります。地域によっては、蚊が媒介する感染症、動物からうつる感染症、食べ物や水から感染する病気に注意が必要です。

海外には日本で発生していない感染症も多く、渡航先の感染症情報を検疫所や外務省の情報で確認するようにしましょう。

特に出発前に確認したい感染症情報は以下です。

  • 渡航先で流行している感染症
  • 必要なワクチン
  • 蚊対策が必要か
  • 生水や氷に注意が必要か
  • 動物との接触を避けるべき地域か
  • 帰国後に注意すべき症状

予防接種を確認する

海外旅行ではワクチン歴の確認が重要

渡航先や旅行スタイルによっては、予防接種を検討した方がよい場合があります。

確認したいワクチンには、以下のようなものがあります。

  • 麻しん・風しん
  • 破傷風
  • A型肝炎
  • B型肝炎
  • 狂犬病
  • 日本脳炎
  • 黄熱
  • 腸チフス
  • インフルエンザ
  • 新型コロナウイルス感染症

必要なワクチンは、行き先、滞在期間、年齢、持病、現地での行動によって変わります。

ワクチンは接種してすぐに効果が出るものばかりではありません。複数回接種が必要なものもあるため、海外旅行が決まったら早めに確認しておくと安心です。

常備薬と医療セットを準備する

旅行中によくある体調不良に備える

海外旅行中は、下痢、発熱、頭痛、腹痛、虫刺され、乗り物酔い、けがなどが起こることがあります。

海外旅行中に病気になることは珍しくありません。目的地によっては旅行者下痢症になる人が多いこと、また海外では言語や偽薬の問題もあり薬や衛生用品の購入が簡単ではありません。

準備しておきたいものは以下です。

  • 普段飲んでいる薬
  • 解熱鎮痛薬
  • 胃腸薬
  • 整腸剤
  • 下痢止め
  • 酔い止め
  • 抗アレルギー薬
  • 虫よけ
  • かゆみ止め
  • 絆創膏
  • 消毒用品
  • 体温計
  • マスク
  • 手指消毒用品
  • コンタクトレンズ用品
  • 予備の眼鏡

特に眼鏡やコンタクトレンズは、現地で同じものをすぐに手に入れるのが難しい場合があります。

薬の持ち込みルールを確認する

普段の薬でも国によっては注意が必要

日本で処方されている薬でも、渡航先によっては持ち込みに制限がある場合があります。特に、向精神薬や医療用麻薬、覚せい剤原料に該当する薬などは注意が必要です。

海外に医薬品を持参する場合、自分がどの薬をどの病気・症状で服用しているか説明できる文書を携帯することが望ましいです。また、国によっては英文診断書などの提示を求められることがあります。

さらに、医療用麻薬や覚せい剤原料に該当する薬を日本から持ち出す場合、事前に地方厚生局長の許可が必要になることがあります。

薬を持っていくときは、以下を確認しましょう。

  • 渡航先に持ち込める薬か
  • 英文の薬剤証明書や診断書が必要か
  • 必要量を超えて持っていないか
  • 薬を機内持ち込みにするか
  • お薬手帳や薬の説明書を持参するか
  • 薬の一般名・成分名を把握しているか

薬はスーツケースだけでなく、機内持ち込みにも分けておくと安心です。ロストバゲージで薬まで旅立つと、かなり困ります。

海外旅行保険を確認する

医療費と搬送費に備える

海外では、医療費が高額になることがあります。

軽い受診でも費用がかかる場合があり、入院や手術、救急搬送が必要になると負担が大きくなることがあります。

海外旅行傷害保険に加入し、受診前に保険会社へ提携病院を確認することが勧められている国・地域があります。

保険で確認したいポイントは以下です。

  • 疾病治療費用
  • 傷害治療費用
  • 救援者費用
  • 緊急移送費用
  • キャッシュレス診療の有無
  • 持病・既往症の扱い
  • 妊娠関連トラブルの扱い
  • 子どもの補償内容
  • 24時間日本語サポートの有無

クレジットカード付帯保険だけで十分かどうかも、出発前に確認しておきましょう。カード保険は条件や補償額が限られることがあります。

子ども連れ旅行で確認したいこと

子どもは体調変化が早い

子ども連れの海外旅行では、大人だけの時に準備が大切です。

子どもは発熱、下痢、嘔吐、脱水、虫刺され、けがなどが起こりやすく、体調変化も早いです。

出発前に確認したいことは以下です。

  • 予防接種歴
  • 母子手帳のコピー
  • 常備薬
  • 解熱薬の使い方
  • 経口補水液の準備
  • アレルギー情報
  • 滞在先近くの小児対応医療機関
  • 海外旅行保険の子どもの補償

食事や水、暑さ対策も重要です。

生水、氷、生もの、加熱不十分な食品には注意し、こまめな水分補給を意識しましょう。

現地で病気になったときの行動を決めておく

まず何をするかを家族で共有する

海外で体調を崩したときは、焦って動くよりも、あらかじめ決めた手順に沿って行動する方が安全です。

事前に確認し、決めておきたい行動は以下です。

  • 保険会社の緊急連絡先に電話する
  • ホテルのフロントに相談する
  • 近くの医療機関を確認する
  • 緊急時は現地の救急番号に連絡する
  • パスポートと保険証券を持って受診する
  • 服薬中の薬やアレルギー情報を伝える
  • 帰国後に受診が必要な症状を確認する

外務省の海外安全ホームページでは、感染症や医療・健康に関する情報が国・地域別情報とあわせて確認できます。渡航前だけでなく、滞在中にも確認できるようにしておくと安心です。

帰国後の体調不良にも注意する

渡航歴を医療機関に伝える

海外旅行中だけでなく、帰国後に発熱、下痢、発疹、咳、強いだるさなどが出ることもあります。

感染症によっては、帰国してから症状が出る場合があります。

帰国後に体調が悪い場合は、受診前に医療機関へ連絡し、いつ、どの国・地域に行ったかを伝えましょう。

医療機関に伝えてほしい情報は以下です。

  • 渡航先
  • 滞在期間
  • 食べたもの
  • 動物との接触
  • 虫刺されの有無
  • 現地での発熱や下痢
  • 同行者の体調不良
  • 服用した薬

これらの情報があれば、その土地の流行している感染症などを疑うことができます。

海外旅行前の健康・医療チェックリスト

出発前に確認したい項目

  • 持病について主治医に相談した
  • 旅行中に必要な薬を準備した
  • お薬手帳や薬の説明書を用意した
  • 必要に応じて英文診断書を準備した
  • 薬の持ち込みルールを確認した
  • 渡航先の感染症情報を確認した
  • 必要な予防接種を確認した
  • 海外旅行保険に加入した
  • 保険会社の緊急連絡先を保存した
  • 現地の医療機関を調べた
  • 子どもの母子手帳や予防接種歴を確認した
  • 体温計や常備薬を準備した
  • 予備の眼鏡やコンタクト用品を入れた
  • 帰国後の体調不良時の対応を確認した

まとめ

海外で病気になる不安は、事前準備でかなり減らせます。

大切なのは、現地で何とかするではなく、出発前に困りそうなことを先に減らしておくことです。持病、薬、ワクチン、保険、現地の医療機関、帰国後の受診まで確認しておくと、安心して旅行することができます。

海外旅行は、元気に行って、元気に帰ってくることがいちばんです。

観光ルートやホテル選びと同じくらい、健康・医療の準備も旅の大切な一部として考えておきましょう。

参考文献

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