海外旅行で飲み水に気をつけたい理由
海外旅行では、飲み水が原因でお腹を壊すことがあります。
日本では水道水をそのまま飲める地域が多いですが、国や地域によっては、水道水に病原体が含まれていたり、水の処理や保管の状態が安定していなかったりすることがあります。水そのものだけでなく、氷、ジュース、カットフルーツ、サラダ、歯みがきの水などにも注意が必要です。
ペットボトルの水であっても、必ず安全とは限りません。ふたの封が開いていないか、信頼できる店で買ったものか、保管状態に問題がなさそうかを確認しましょう。
この記事では、海外旅行で飲み水に気をつけたい理由と、安全に水分をとるためのポイントを解説します。
水や氷でお腹を壊すことがある

海外旅行中の下痢や腹痛は、水や食べ物が原因になることがあります。
水が十分に処理されていない地域では、細菌、ウイルス、寄生虫などが水に混じっていることがあります。その水を飲むだけでなく、その水で作った氷、洗った野菜、薄めたジュース、調理器具などを通じて体に入ることもあります。
注意したいものは、次のようなものです。
・水道水
・氷入りの飲み物
・水で薄めたジュース
・生野菜やサラダ
・カットフルーツ
・屋台の飲み物
・加熱されていない料理
・水道水で洗った食器やコップ
旅行中は、疲れや睡眠不足、暑さ、食事の変化も重なり、胃腸の調子を崩しやすくなります。軽い下痢で済むこともありますが、発熱、血便、強い腹痛、嘔吐、脱水を伴う場合は注意が必要です。
特に、子ども、高齢者、妊娠中の人、持病がある人は、脱水になりやすいため早めに対応しましょう。
ペットボトルの水は封を確認する

海外旅行では、飲み水としてペットボトルの水を選ぶことが多いです。
ただし、ペットボトルなら必ず安全と考えるのではなく、買う場所や封の状態を確認しましょう。まれに、空きボトルに水道水を詰め直して販売されることがあります。ふたが緩い、封が切れている、ラベルやボトルが不自然、保管状態が悪い場合は避けた方が安心です。
確認したいポイントは、次のとおりです。
・ふたの封が開いていない
・キャップがしっかり閉まっている
・ボトルに破損や汚れがない
・信頼できる店やホテルで購入する
・炎天下で長時間放置されたものを避ける
・開封後は早めに飲む
炭酸水は、開けたときに炭酸の音や泡が確認できるため、未開封かどうかの目安になることがあります。ただし、炭酸水でも保管状態や購入場所は確認しましょう。
ホテルの客室に置かれている水も、有料か無料かだけでなく、封が開いていないかを確認してから飲みます。
歯みがきや薬を飲む水にも注意する

飲み水に気をつけていても、歯みがきや薬を飲むときの水を見落とすことがあります。
水道水が安全かわからない地域では、歯みがきのときもペットボトルの水や安全が確認できる水を使うと安心です。口をゆすぐだけでも、少量の水を飲み込むことがあります。
また、薬やサプリメントを飲むときも、水道水ではなく安全な水を使いましょう。体調を整えるための薬を飲んでいるのに、水が原因で下痢を起こすと、脱水や薬の吸収にも影響することがあります。
注意したい場面は、次のようなものです。
・歯みがき
・うがい
・薬やサプリを飲むとき
・赤ちゃんのミルクを作るとき
・哺乳瓶や食器を洗うとき
・コンタクトレンズを扱うとき
コンタクトレンズを使っている人は、水道水でレンズやケースを洗わないようにしましょう。レンズは専用のケア用品で管理し、目のトラブルがあるときは使用を控えます。
小さな子どもがいる場合は、ミルクや離乳食に使う水にも注意が必要です。現地でどの水を使うか、出発前に確認しておくと安心です。
飲み物は「水以外」も確認する
飲み水に注意していても、氷や飲み物でお腹を壊すことがあります。
氷は水道水から作られていることがあるため、水の衛生状態が不安な地域では避けた方が安心です。冷たい飲み物を注文するときは、氷なしにする、未開封のボトル飲料を選ぶなどの工夫をしましょう。
注意したい飲み物には、次のようなものがあります。
・氷入りの飲み物
・屋台のジュース
・水で薄めた飲み物
・カットフルーツ入りドリンク
・ラッシーなど水や氷を加える飲み物
・開封済みのボトル飲料
・衛生状態が不明な店の飲み物
一方で、未開封のペットボトル飲料、缶飲料、紙パック飲料、十分に加熱された飲み物は比較的選びやすいことがあります。温かいお茶やコーヒーでも、十分に加熱されているか、清潔な容器で提供されているかは確認しましょう。
旅行中は暑さで冷たい飲み物を選びたくなりますが、氷入りかどうかを確認する習慣をつけておくと安心です。
下痢になったら脱水を防ぐ

飲み水や食事が原因で下痢になった場合は、まず脱水を防ぐことが大切です。
下痢では、水分だけでなく塩分などの電解質も失われます。特に、子ども、高齢者、持病がある人は、脱水が進みやすいため注意が必要です。
水分補給では、水だけでなく、経口補水液を使うこともあります。海外旅行では、経口補水液の粉末や、現地で購入できる安全な水を準備しておくと安心です。
受診を考えたいサインは、次のようなものです。
・水分を飲めない
・飲んでも吐いてしまう
・尿が少ない
・口や唇が乾いている
・ぐったりしている
・強い腹痛がある
・血便がある
・高熱がある
・下痢が何日も続く
・乳幼児や高齢者の下痢
・持病がある人の強い下痢
海外では、自己判断で下痢止めや抗菌薬を使う前に、症状や年齢、持病、妊娠の有無を考える必要があります。血便や高熱がある場合は、薬で無理に止めず、医療機関へ相談しましょう。
旅行保険の連絡先、滞在先近くの医療機関、ホテルのフロントで相談できる窓口を確認しておくと、いざというときに動きやすくなります。
まとめ:海外では水そのものだけでなく氷や口に入る水にも注意する

海外旅行では、飲み水が原因で下痢や腹痛を起こすことがあります。
水道水を飲まないようにしていても、氷、ジュース、サラダ、カットフルーツ、歯みがきの水などから体に入ることがあります。水の衛生状態が不安な地域では、未開封のペットボトルの水を選び、封が開いていないかを確認しましょう。
ペットボトルの水でも、購入場所や保管状態によっては注意が必要です。信頼できる店で買い、開封後は早めに飲み切るようにします。
旅行中に下痢をした場合は、脱水を防ぐことが大切です。水分がとれない、尿が少ない、血便がある、強い腹痛や高熱がある場合は、旅先でも医療機関へ相談してください。
海外旅行では、「何を飲むか」だけでなく、「何の水が使われているか」を意識しておくことが大切です。
参考文献
『病気になったら』(厚生労働省検疫所 FORTH)
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/attention04.html
『旅行前の準備』(厚生労働省検疫所 FORTH)
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/attention01.html