旅行中に強いアレルギー症状が出たときの対応
旅先で食事をした後や、薬を飲んだ後、虫に刺された後などに、急にじんましんや息苦しさが出ると不安になります。
旅行中は、普段と違う食事、外食、屋台料理、海外の食品表示、虫刺され、薬、環境の変化など、アレルギー症状のきっかけに触れる機会が増えることがあります。軽いかゆみや鼻水だけで済むこともありますが、全身に症状が広がる場合や、呼吸・意識・血圧に関わる症状が出る場合は注意が必要です。
特に、じんましんに加えて息苦しさ、声のかすれ、強い腹痛、繰り返す嘔吐、ぐったりする、意識がぼんやりするなどがある場合は、アナフィラキシーの可能性があります。迷ったときは、予定を続けるよりも早めの救急対応を優先しましょう。
ここでは、旅行中に強いアレルギー症状が出たときの対応について解説します。
旅行中にアレルギー症状が出やすい場面

旅行中は、普段よりアレルギーの原因に気づきにくいことがあります。
食物アレルギーがある方では、外食、ビュッフェ、屋台料理、機内食、海外の食品などで、原因食物が含まれているか分かりにくい場面があります。ソース、だし、揚げ油、調味料、デザートなどに原因食物が含まれることもあります。
薬のアレルギーがある方では、旅先で市販薬を買ったり、普段と違う薬を使ったりするときに注意が必要です。湿布、塗り薬、目薬、点鼻薬などでもアレルギー反応が起こることがあります。
虫刺され、植物、動物、ラテックス、化粧品、日焼け止め、温泉やプールの成分などが原因になることもあります。旅行中は環境が変わるため、いつもと違う皮膚症状や呼吸症状に気づいたら、早めに原因から離れることが大切です。
まず確認したい症状

アレルギー症状が出たときは、皮膚だけでなく、呼吸、消化器、意識の変化を確認します。
皮膚では、じんましん、赤み、かゆみ、まぶたや唇の腫れが見られることがあります。これだけで軽く済む場合もありますが、短時間で広がる場合や、他の症状を伴う場合は注意が必要です。
呼吸の症状としては、咳、ゼーゼーする呼吸、息苦しさ、喉が締めつけられる感じ、声のかすれなどがあります。これらは緊急性が高い症状になることがあります。
消化器の症状では、強い腹痛、吐き気、繰り返す嘔吐、下痢が出ることがあります。さらに、ぐったりする、顔色が悪い、冷や汗が出る、意識がぼんやりする、立っていられないといった変化がある場合は、すぐに対応が必要です。
強いアレルギー症状が出たときの対応

強いアレルギー症状が出たときは、まず原因と思われるものから離れ、無理に移動や観光を続けないようにします。
息苦しさ、声のかすれ、喉の違和感、ぐったりする、意識がぼんやりする、繰り返す嘔吐などがある場合は、救急要請を考えます。日本国内であれば119番に連絡し、海外では現地の緊急連絡先や旅行保険の窓口を確認します。
エピペンを処方されている方は、医師から説明された症状が出た場合に、ためらわず使用することが大切です。使用後も症状が再び悪化することがあるため、必ず医療機関で診察を受けましょう。
横になれる場合は、楽な姿勢で休みます。息苦しさが強い場合は、本人が呼吸しやすい姿勢を優先します。飲食は無理に続けず、周囲の人に症状とアレルギー歴、エピペンや薬の有無を伝えましょう。
旅行前に準備しておきたいこと

アレルギーがある方は、旅行前の準備でリスクを減らせます。
食物アレルギーがある場合は、原因食物をメモしておきます。海外旅行では、現地語や英語でアレルギーを伝えるカードを用意しておくと、レストランやホテルで説明しやすくなります。
薬のアレルギーがある場合は、薬の名前や成分、過去に出た症状をメモしておきます。お薬手帳、保険証、診察券、常用薬、抗アレルギー薬、エピペンを処方されている方はエピペンを、すぐ取り出せる手荷物に入れておきましょう。
外食では、原材料や調理方法を確認します。ビュッフェではトングや調理器具を介して原因食物が混ざる可能性があります。心配な場合は、無理に食べず、安全性を確認できる食事を選ぶことも大切です。
宿泊先や同行者にも、アレルギーの内容と緊急時の対応を共有しておくと安心です。一人旅の場合は、緊急連絡先やアレルギー情報をスマートフォンやカードで確認できるようにしておきましょう。
受診や救急相談を考えたいサイン

アレルギー症状が出たときは、症状の広がりや速さを見ます。
じんましんやかゆみだけでも、短時間で全身に広がる場合は注意が必要です。呼吸が苦しい、咳が止まらない、ゼーゼーする、声がかすれる、喉が詰まる感じがある場合は、早めの救急対応を考えます。
強い腹痛、繰り返す嘔吐、下痢、顔色が悪い、冷や汗、ぐったりする、意識がぼんやりする、立っていられない場合も危険なサインです。
子ども、高齢者、喘息がある方、過去にアナフィラキシーを起こしたことがある方では、特に早めの判断が大切です。旅行先では普段の医療機関にすぐ行けないため、迷ったら相談する方が安心です。
旅行中のアレルギー対応チェックリスト

旅行中にアレルギー症状が出たときは、次の点を確認しましょう。
症状が出たとき
- 何を食べたか、何に触れたか
- 薬を飲んだか
- 虫に刺されたか
- じんましんや腫れがあるか
- 息苦しさや咳があるか
- 喉の違和感や声のかすれがあるか
- 腹痛、嘔吐、下痢があるか
- ぐったりしていないか
すぐ相談したいサイン
- 息苦しい
- ゼーゼーする
- 声がかすれる
- 喉が締めつけられる感じがある
- 繰り返し吐く
- 強い腹痛がある
- 顔色が悪い
- 意識がぼんやりしている
- 立っていられない
- エピペンを使った
旅行前の準備
- アレルギーの原因をメモしたか
- 薬のアレルギー歴を記録したか
- お薬手帳を持ったか
- 抗アレルギー薬を準備したか
- エピペンを処方されている場合、携帯したか
- 同行者に緊急時の対応を伝えたか
- 海外旅行では現地語の説明カードを用意したか
まとめ

旅行中は、外食、屋台料理、ビュッフェ、薬、虫刺され、環境の変化などにより、アレルギー症状が出ることがあります。
じんましんやかゆみだけで軽く済むこともありますが、息苦しさ、声のかすれ、喉が締めつけられる感じ、強い腹痛、繰り返す嘔吐、ぐったりする、意識がぼんやりするなどがある場合は、アナフィラキシーの可能性があります。
エピペンを処方されている方は、指示された症状が出た場合に使用し、使用後は必ず医療機関で診察を受けましょう。旅行前には、アレルギーの原因、薬、エピペン、緊急連絡先、現地語の説明カードなどを準備しておくと安心です。
旅先では、予定を続けることよりも安全を優先しましょう。迷ったときは早めに医療機関や救急相談窓口へ相談することが大切です。
参考文献・参考サイト
- アレルギーポータル:アナフィラキシー
https://allergyportal.jp/knowledge/anaphylaxis/ - 厚生労働省:重篤副作用疾患別対応マニュアル
https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001553841.pdf - 東京都保健医療局:緊急性が高いアレルギー症状への対応
https://www.hokeniryo1.metro.tokyo.lg.jp/allergy/measure/support_home.html - 消費者庁:外食・中食における食物アレルギーに関する啓発資材
https://www.caa.go.jp/notice/entry/032616/ - 日本アレルギー学会:薬剤アレルギー Q&A
https://www.jsaweb.jp/modules/citizen_qa/index.php?content_id=10