旅先で発疹が出た|旅行中に発疹やじんましんが出たときの対応
旅行中に、子どもや家族の皮膚に急に赤みやぶつぶつが出ると不安になります。
「食事のあとにじんましんが出た」「虫に刺されたのか、感染症なのか分からない」「旅先で皮膚科を受診すべきか迷う」と感じることもあるでしょう。
発疹やじんましんの原因は、食物アレルギー、薬、虫刺され、汗、日光、感染症、疲れや体調不良などさまざまです。多くは軽い症状で済むこともありますが、息苦しさや顔色の悪さ、意識の変化、発熱を伴う場合は、早めの対応が必要になることがあります。
ここでは、旅行中に発疹やじんましんが出たときの対応について解説します。
旅行中に発疹やじんましんが出る原因

旅行中は、普段と違う食事、環境、気温、疲れなどが重なります。皮膚の症状だけを見て原因をすぐに判断するのは難しいこともありますが、どのようなきっかけがありそうかを振り返ると対応しやすくなります。
ここでは、旅行中に発疹やじんましんが出る原因について解説します。
食事や薬によるアレルギー
旅先では、普段食べない料理や加工食品、調味料、デザートを口にする機会が増えます。
食物アレルギーでは、じんましん、皮膚の赤み、かゆみ、まぶたや唇の腫れ、腹痛、嘔吐、咳、息苦しさなどが出ることがあります。薬を飲んだ後に発疹が出る場合もあります。
食事や薬のあとに症状が出た場合は、何を食べたか、何を飲んだか、どのくらいの時間で症状が出たかを記録しておきましょう。
虫刺されや植物による刺激
夏の旅行、キャンプ、川遊び、山歩き、海外旅行では、虫刺されや植物による皮膚トラブルが起こることがあります。
蚊、ブヨ、アブ、ハチ、マダニなどに刺されると、赤み、腫れ、かゆみ、痛みが出ることがあります。草むらや山道で植物に触れて、かぶれのような発疹が出ることもあります。
刺された場所が広く腫れる、痛みが強い、発熱を伴う、マダニが皮膚に付着している場合は、医療機関へ相談を考えます。
汗・日光・温度差による皮膚トラブル
旅行中は、暑さ、汗、日焼け、冷房、温泉、プールなど、皮膚への刺激が増えることがあります。
汗をかいたまま過ごすと、あせもやかぶれが起こることがあります。日光で赤みやかゆみが出る場合もあります。温泉やプールの後に皮膚が乾燥して、かゆみが強くなることもあります。
汗を拭く、着替える、保湿する、日差しを避けるなど、皮膚への負担を減らすことが大切です。
感染症による発疹
発熱、咳、鼻水、のどの痛み、目の充血、下痢などを伴う発疹では、感染症も考えます。
水ぼうそうでは、発熱のあとに赤い発疹が出て、水ぶくれ、膿をもつ発疹、かさぶたへ変化していくことがあります。水ぼうそうが疑われる場合は、受診前に医療機関へ電話などで相談するとよいです。
麻しんでは、発熱、咳、鼻水、くしゃみ、目の充血などが出たあとに発疹が広がることがあります。発熱を伴う発疹では、周囲への感染対策も含めて慎重な対応が必要です。
まず確認したい発疹の様子

発疹やじんましんが出たときは、まず皮膚の見た目と全身の様子を確認します。旅行中は受診までに時間がかかることもあるため、症状の変化を記録しておくと役立ちます。
ここでは、まず確認したい発疹の様子について解説します。
発疹の形や広がり
発疹を見つけたら、どこに出ているか、どのような形かを確認します。
確認したいポイントは、次の通りです。
- 赤みだけか
- 盛り上がっているか
- かゆみがあるか
- 痛みがあるか
- 水ぶくれがあるか
- 膿のようなものがあるか
- 顔や口の周りに出ているか
- 全身に広がっているか
- 押すと赤みが消えるか
発疹の大きさ、色、形、場所、かゆみ、水ぶくれ、膿の有無などを観察しておくと、受診時の説明に役立ちます。スマートフォンで写真を撮っておくことも診療の参考になります。
いつから出たか
発疹がいつから出たかも大切です。
食事の直後、薬を飲んだ後、虫に刺された後、入浴後、屋外活動後、発熱の後など、きっかけが分かると原因を考えやすくなります。
旅行中は行動が多く、あとから思い出しにくくなります。症状が出た時間、食べたもの、飲んだ薬、行った場所をメモしておきましょう。
発疹以外の症状
発疹だけでなく、全身の状態も確認します。
次のような症状があるか見ておきましょう。
- 発熱
- 咳
- 息苦しさ
- 声のかすれ
- 唇やまぶたの腫れ
- 腹痛
- 嘔吐
- 下痢
- 頭痛
- 関節痛
- ぐったりしている
- 呼びかけへの反応が弱い
皮膚症状だけで判断せず、呼吸、顔色、唇、目やまぶた、口の中、発熱の有無も確認することが大切です。
じんましんが出たときの対応

じんましんは、赤く盛り上がった発疹が急に出て、強いかゆみを伴うことがあります。出たり消えたりしながら場所が変わることもあります。
ここでは、じんましんが出たときの対応について解説します。
まず休ませて様子を見る
じんましんが出たら、まず涼しい場所で休ませます。
体を温めすぎると、かゆみが強くなることがあります。暑い場所や運動、入浴、飲酒などで悪化する場合もあるため、症状がある間は無理に動かず、体を落ち着かせます。
衣服の締めつけが強い場合は、ゆるめましょう。かゆみが強いときは、冷たいタオルで軽く冷やすと楽になることがあります。
食事や薬との関連を確認する
じんましんが出る前に、何を食べたか、薬を飲んだかを確認します。
食物アレルギーがある子どもや、過去にじんましんを起こしたことがある方では、原因食品や薬との関連を考えます。原因が疑われる食品や薬は、自己判断で再度試さないようにしましょう。
処方されている抗ヒスタミン薬などがある場合は、事前の指示に沿って使用します。
全身症状がある場合はすぐ相談する
じんましんに加えて、息苦しさ、声のかすれ、強い咳、唇やまぶたの腫れ、腹痛、嘔吐、ぐったりしている、意識がぼんやりしているなどがある場合は、アナフィラキシーの可能性があります。
このような場合は、様子を見すぎず、救急対応を考えます。エピペンを処方されている場合は、使用する症状や手順を旅行前から家族で確認しておくことが大切です。
虫刺されやかぶれが疑われるときの対応

旅行中の発疹では、虫刺されやかぶれもよくあります。軽いかゆみや赤みで済むこともありますが、強く腫れたり、かき壊したりすると悪化することがあります。
ここでは、虫刺されやかぶれが疑われるときの対応について解説します。
洗って冷やす
虫刺されやかぶれが疑われる場合は、まず皮膚を清潔にします。
水で洗える場合はやさしく洗い、汗や汚れを落とします。かゆみや腫れがある場合は、冷たいタオルなどで冷やすと楽になることがあります。
強くこすったり、かき壊したりすると皮膚の傷から感染を起こすことがあるため、できるだけ触りすぎないようにしましょう。
市販薬を使う場合
軽い虫刺されやかぶれでは、市販のかゆみ止めや炎症を抑える外用薬を使うことがあります。
子どもに使う場合、顔や広い範囲に使う場合、ステロイド外用薬を使う場合は、対象年齢や使用部位を確認します。何を使うか迷う場合は、薬剤師へ相談すると安心です。
マダニやハチの場合は注意する
マダニが皮膚に付着している場合は、無理に引き抜くと一部が皮膚に残ることがあります。可能であれば医療機関で処置してもらうと安心です。
ハチに刺されたあとに、全身のじんましん、息苦しさ、唇やまぶたの腫れ、気分不快、ぐったりするなどが出た場合は、アナフィラキシーの可能性があります。すぐに救急対応を考えましょう。
発熱を伴う発疹で気をつけたいこと

発疹に発熱を伴う場合は、単なるかぶれや虫刺されではなく、感染症が関係していることがあります。旅行中は周囲への感染にも配慮が必要です。
ここでは、発熱を伴う発疹で気をつけたいことについて解説します。
人混みを避ける
発熱と発疹がある場合は、感染症の可能性も考えます。
観光地、公共交通機関、レストラン、温泉、プールなど、人が集まる場所へ無理に行くのは避けた方が安心です。マスクを使える年齢であれば使い、できるだけ宿泊先で休ませます。
受診前に医療機関へ連絡する
水ぼうそうや麻しんなど、感染力の強い病気が疑われる場合は、直接受診する前に医療機関へ電話で相談することが大切です。
事前に症状を伝えることで、待合室での感染拡大を避けるための案内を受けられることがあります。水ぼうそうが疑われる場合も、受診前に医療機関へ電話などで伝えることが勧められます。
旅行を続けるか見直す
発熱や発疹がある状態で旅行を続けると、本人の体調が悪化するだけでなく、周囲へ感染を広げる可能性があります。
症状が強い場合、感染症が疑われる場合、医療機関から安静や外出を控えるよう説明された場合は、予定を変更する判断も必要です。
子どもに発疹が出たときの見方

子どもは症状をうまく説明できないことがあり、かゆい、痛い、気持ち悪い、眠いといった感覚が混ざって不機嫌になることがあります。発疹だけでなく、普段との違いを確認しましょう。
ここでは、子どもに発疹が出たときの見方について解説します。
機嫌や元気があるか
子どもに発疹が出たときは、まず機嫌や元気を確認します。
遊べる、会話ができる、水分が取れる、眠れている場合は、落ち着いて様子を見られることもあります。一方で、ぐったりしている、泣き方が弱い、呼びかけへの反応が悪い、水分が取れない場合は注意が必要です。
かき壊しを防ぐ
かゆみが強いと、子どもは無意識にかいてしまいます。
爪を短くする、冷やす、かゆみ止めを使う、必要に応じて衣服やガーゼで保護するなど、かき壊しを防ぐ工夫をします。かき壊すと、とびひのように皮膚感染が広がることがあります。
夜間や休日に迷う場合
夜間や休日に、子どもの発疹で受診するか迷う場合は、小児救急相談を利用する選択肢があります。
意識がぼんやりしている、呼吸が苦しそう、唇や顔色が悪い、けいれんがある、強いアレルギー症状がある場合は、電話相談を待たずに救急対応を考えましょう。
受診を考えたい症状

発疹やじんましんの多くは軽症で済むこともありますが、早めに受診した方がよい症状もあります。旅行中は受診先を探すのに時間がかかることもあるため、判断を後回しにしすぎないことが大切です。
ここでは、受診を考えたい症状について解説します。
すぐに救急相談したい症状
次のような症状がある場合は、緊急性が高い可能性があります。
- 息苦しい
- 声がかすれる
- 強い咳が続く
- 唇やまぶたが腫れている
- 顔色や唇の色が悪い
- ぐったりしている
- 意識がぼんやりしている
- 繰り返し吐いている
- 強い腹痛がある
- けいれんがある
じんましんに全身症状を伴う場合は、アナフィラキシーも考えます。迷ったときは、早めに救急相談や医療機関へつなげましょう。
当日中に相談したい症状
次のような場合は、当日中の受診や医療相談を考えます。
- 発熱を伴う発疹
- 発疹が急に広がっている
- 水ぶくれがある
- 強い痛みがある
- 皮膚が赤く腫れて熱を持っている
- 膿が出ている
- 目や口の中にも発疹がある
- 食事や薬のあとに発疹が出た
- マダニが付着している
症状が軽く見えても、旅行先で悪化すると対応が難しくなることがあります。
帰宅後に相談したい症状
旅行中に軽かった発疹でも、帰宅後に続く場合は受診を考えます。
特に、海外旅行後に発熱、発疹、強いだるさ、関節痛、筋肉痛などがある場合は、渡航先での感染症も含めて相談しましょう。受診時には、渡航先、滞在期間、虫刺され、食事、薬の使用歴を伝えると診療に役立ちます。
旅行中に持っておきたい皮膚トラブル対策グッズ

旅行中の発疹やじんましんに備えるには、皮膚を清潔に保つもの、かゆみを抑えるもの、医療機関で説明するための情報を準備しておくと安心です。
ここでは、旅行中に持っておきたい皮膚トラブル対策グッズを紹介します。
基本の持ち物
持っておきたいものは、次の通りです。
- ウェットティッシュ
- 清潔なタオル
- 保湿剤
- かゆみ止め
- 虫よけ剤
- 絆創膏
- ガーゼ
- 体温計
- 常用薬
- 抗ヒスタミン薬
- エピペン
- 保険証、医療証
- 旅行保険の情報
- 薬の名前が分かるメモ
処方薬がある場合は、旅行日数より少し余裕を持って準備します。薬は預け荷物ではなく、すぐ取り出せる手荷物に入れておきましょう。
写真を撮って記録する
発疹は、受診時には形が変わっていることがあります。
出始め、広がったとき、薬を使った後など、時間を分けて写真を撮っておくと診療の参考になります。写真だけで自己判断するのではなく、医療機関で説明する材料として使いましょう。
アレルギーがある人の準備
食物アレルギーや薬剤アレルギーがある方は、アレルゲン名、過去の症状、処方薬、緊急時の対応をメモしておくと安心です。
海外旅行では、現地語や英語でアレルギー情報を伝えられるカードを準備しておくと役立ちます。
旅行中の発疹・じんましん対応チェックリスト

旅行中に発疹やじんましんが出たら、慌てずに皮膚の状態と全身症状を確認します。
まず確認すること
- いつから出たか
- どこに出ているか
- かゆみがあるか
- 痛みがあるか
- 水ぶくれがあるか
- 膿が出ているか
- 発熱があるか
- 食事や薬のあとに出たか
- 虫刺されや屋外活動のあとに出たか
- 呼吸や顔色に変化がないか
まず行うこと
- 涼しい場所で休む
- 皮膚を清潔にする
- かゆい場所を冷やす
- かき壊さないようにする
- 写真を撮って記録する
- 処方薬がある場合は指示通り使う
- 発熱がある場合は人混みを避ける
- 感染症が疑われる場合は受診前に電話する
すぐ相談したい症状
- 息苦しい
- 声がかすれる
- 唇やまぶたが腫れる
- ぐったりしている
- 意識がぼんやりしている
- 繰り返し吐く
- 強い腹痛がある
- 発熱を伴って発疹が広がる
- 水ぶくれが多い
- マダニが付着している
まとめ

旅行中に発疹やじんましんが出ると、原因が分からず不安になりやすいものです。
食事や薬によるアレルギー、虫刺され、汗や日光、かぶれ、感染症など、原因はさまざまです。まずは、発疹の場所や形、かゆみや痛み、発熱の有無、食事や薬との関係、呼吸や顔色の変化を確認しましょう。
じんましんに加えて、息苦しさ、声のかすれ、唇やまぶたの腫れ、繰り返す嘔吐、ぐったりしている様子がある場合は、アナフィラキシーの可能性もあります。様子を見すぎず、早めに救急相談や医療機関につなげることが大切です。
発熱を伴う発疹では、感染症の可能性も考えます。水ぼうそうや麻しんなどが疑われる場合は、医療機関へ行く前に電話で相談し、周囲への感染対策も意識しましょう。
旅行中は、発疹の写真を撮る、症状の経過をメモする、薬や保険証を手元に置くことで、受診時に説明しやすくなります。旅先では予定よりも体調を優先し、無理なく対応していきましょう。
参考文献・参考サイト
- 厚生労働省:水痘
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/chickenpox.html - 厚生労働省:麻しん
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-14-03.html - 群馬県:子どもの救急ってどんなとき?発疹が出た時
https://www.pref.gunma.jp/page/4124.html - 東京都アレルギー情報navi:家庭向け・食物アレルギー緊急時対応ガイダンス
https://www.hokeniryo1.metro.tokyo.lg.jp/allergy/measure/judgment_home.html