旅行から帰った後に、発熱、だるさ、咳、下痢、腹痛などが出ることがあります。

旅行中は、長時間の移動、睡眠不足、暑さ、食事の変化、人混みなどが重なり、帰宅後に疲れが一気に出ることがあります。一方で、風邪などの呼吸器感染症、胃腸炎、食中毒のほか、海外旅行では渡航先で感染した病気が帰国後に発症することもあります。感染症には潜伏期間があるため、「旅行中は元気だったから大丈夫」とは限りません。 (forth.go.jp)

特に海外旅行後の発熱や長引く下痢では、渡航先や現地での行動が診断の手がかりになります。

この記事では、旅行後に体調不良が出たときに確認したいことを解説します。

まず症状と始まった時間を整理する

旅行後に体調が悪くなったら、まず「何の症状が、いつから始まったか」を確認しましょう。

例えば、次のような症状です。

・発熱
・寒気
・強いだるさ
・頭痛
・のどの痛み
・咳
・鼻水
・息苦しさ
・吐き気
・嘔吐
・下痢
・腹痛
・発疹
・目や皮膚が黄色い
・排尿時の痛み
・虫刺され後の腫れ

旅行後の体調不良では、発熱、呼吸器症状、下痢などの胃腸症状、皮膚症状など、さまざまな訴えがみられます。 (forth.go.jp)

スマートフォンなどに、

・帰宅した日
・症状が始まった日と時間
・最高体温
・下痢や嘔吐の回数
・水分がとれているか
・尿が出ているか
・市販薬を使ったか
・家族や同行者にも症状があるか

を記録しておくと、受診時に伝えやすくなります。

特に「旅行最終日から具合が悪かったのか」「帰宅して数日後に始まったのか」は重要です。感染症によって症状が出るまでの期間が異なるため、発症時期が手がかりになることがあります。 (cdc.gov)

旅行中の疲れだけと決めつけない

帰宅後のだるさは、単純な疲労や睡眠不足で起こることがあります。

旅行では、

・早朝出発
・長距離運転
・飛行機や新幹線での移動
・普段より長く歩く
・夜更かし
・暑い場所で過ごす
・食事や飲酒が増える

などが重なります。

帰宅後は、まず十分に休み、水分をとり、無理な運動や飲酒を避けましょう。

ただし、

「旅行で疲れただけだろう」

と決めつけないことも大切です。

発熱、咳、下痢、嘔吐、発疹、黄疸などを伴う場合は、感染症を含む別の原因が隠れていることがあります。WHOは、帰宅後数週間以内の体調不良、特に発熱、続く下痢、嘔吐、黄疸、皮膚症状などがある場合には医療相談を求めるよう案内しています。 (世界保健機関)

また、旅行中に症状が出て現地で薬を飲んでいた場合、一時的に症状が軽くなっている可能性もあります。

「休めば治るはず」と何日も我慢せず、症状が悪化する、長引く、普段と違う場合は医療機関へ相談しましょう。

海外旅行後は渡航先と現地での行動を確認する

海外旅行後に体調不良が出た場合は、旅行先の情報が特に重要です。

受診前に、次の内容を整理しておきましょう。

・渡航した国や地域
・都市部か地方か
・滞在期間
・帰国日
・症状が始まった日
・ホテル、キャンプ、民家など宿泊環境
・現地で食べたもの
・飲み水
・氷入りの飲み物
・生ものや加熱不足の料理
・虫刺され
・動物との接触
・川、湖、海で泳いだか
・洞窟に入ったか
・農場や市場を訪れたか
・現地で病院を受診したか
・使った薬
・旅行前のワクチン接種歴

海外旅行後の診療では、渡航先、旅行期間、現地での行動、宿泊状況、虫刺され対策、予防接種歴などが重要な情報になります。 (forth.go.jp)

特に、マラリアやデング熱などがみられる地域から帰国後に発熱した場合は注意が必要です。FORTHは、マラリアやデング熱の流行地域から帰国して発熱がある場合には医療機関を受診するよう案内しており、熱帯熱マラリアは急速に悪化することがあります。 (forth.go.jp)

受診するときは、単に「熱があります」ではなく、

「○月○日まで○○国に滞在していました」

と伝えることが大切です。

強い症状があるときは様子を見すぎない

旅行後の体調不良でも、症状によっては早めの受診や救急対応が必要です。

特に注意したいのは、次のような症状です。

・息苦しい
・胸が強く痛む
・意識がぼんやりする
・呼びかけへの反応が悪い
・けいれん
・強い頭痛
・首が強く痛い、硬い
・強い腹痛
・何度も吐く
・水分がとれない
・尿がほとんど出ない
・血便
・吐血
・高熱が続く
・発熱と発疹がある
・皮膚や白目が黄色い
・急速に悪化している

海外旅行後の発熱は、渡航先によっては緊急性の高い感染症を考える必要があります。また、発熱と皮膚症状が同時にある場合は速やかな受診が必要になることがあります。 (forth.go.jp)

特に、

・乳幼児
・高齢者
・妊娠中
・免疫を抑える治療を受けている
・糖尿病や心疾患などの持病がある

人は、早めの相談を意識しましょう。

「旅行後だから疲れだろう」と考えて受診を遅らせないことが大切です。

発熱や下痢があるときは周囲への感染にも配慮する

旅行後の発熱、咳、嘔吐、下痢は、人にうつる感染症が原因のこともあります。

体調が悪い間は、

・無理に出勤や登校をしない
・人混みを避ける
・咳があるときは咳エチケットを意識する
・手洗いをする
・タオルの共用を避ける
・嘔吐物や便の処理後は手を洗う
・家族の体調も確認する

ことを意識しましょう。

特に発熱と発疹がある場合など、感染力の強い病気が疑われる状況では、いきなり待合室へ行くのではなく、受診前に医療機関へ連絡し、海外渡航歴や症状を伝えて指示を確認することが大切です。 (forth.go.jp)

下痢が続く場合も注意が必要です。帰国後も下痢がおさまらないときには、寄生虫などを含む原因が隠れていることがあり、原因を調べる必要があります。 (forth.go.jp)

水分がとれる場合は少量ずつ補給しますが、何度も吐く、水分がとれない、尿が少ない、血便がある場合は早めに相談しましょう。 (forth.go.jp)

まとめ:旅行後の体調不良は「いつ・どこへ・何をしたか」を確認する

旅行後に発熱やだるさが出たときは、まず症状と発症時期を整理しましょう。

確認したいのは、

・いつ帰宅したか
・いつから症状があるか
・最高体温
・咳やのどの痛みがあるか
・下痢や嘔吐があるか
・水分がとれているか
・尿が出ているか
・同行者にも症状があるか
・海外旅行ならどの国や地域へ行ったか
・虫刺されや動物との接触があったか
・何を食べ、どんな水を飲んだか

です。

旅行後の体調不良は、単なる疲れや睡眠不足のこともあります。一方で、呼吸器感染症、胃腸炎、食中毒、海外で感染した病気などが原因のこともあります。帰国後しばらくしてから症状が出る感染症もあります。 (forth.go.jp)

特に海外旅行後に発熱がある場合は、「旅行後であること」を必ず医療機関に伝えてください。

強い腹痛、息苦しさ、意識の変化、繰り返す嘔吐、水分がとれない、血便、高熱が続く、急速に悪化する場合は、様子を見すぎず医療機関へ相談しましょう。

旅行後の体調不良では、「いつから」「どこへ行ったか」「現地で何をしたか」を整理しておくことが、適切な診療につながります。

参考文献

『旅行から帰って』(厚生労働省検疫所 FORTH)
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/attention05.html

『病気になったら』(厚生労働省検疫所 FORTH)
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/attention04.html

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