スキー場や海、標高の高い場所では、日差しが強く感じることがあります。

その後に「目が痛い」「涙が止まらない」「まぶしくて目を開けにくい」といった症状が出た場合、強い紫外線による目のダメージが関係しているかもしれません。

紫外線は肌だけでなく、目にも影響します。特に雪・水面・砂浜などでは反射によって目に入る紫外線が増えやすく、旅行中は注意が必要です。

この記事では、旅行中の強い紫外線で目が痛くなることはあるのか、注意したい症状や予防法について解説します。

強い紫外線で目が痛くなることはある?

強い紫外線を浴びると、目の表面に炎症が起こり、痛みや充血が出ることがあります。

これは「紫外線角膜炎」や「雪目」と呼ばれることがあり、角膜の表面が紫外線で傷ついた状態です。皮膚が日焼けするように、目の表面も強い紫外線でダメージを受けることがあります。

ここでは、強い紫外線で目が痛くなる仕組みについて解説します。

その場ですぐ痛くならないこともある

紫外線による目の痛みは、浴びた直後ではなく、数時間後に出てくることがあります。

例えば、日中にスキーや海水浴を楽しんだ後、夕方から夜にかけて目が痛くなる、涙が止まらなくなる、まぶしくて目を開けにくくなることがあります。

旅行中は「疲れ目かな」「海風で乾いただけかな」と思いやすいですが、強い紫外線を浴びた後の目の痛みには注意が必要です。

スキー場や海では紫外線が強くなりやすい

紫外線は、晴れた夏の屋外だけで問題になるわけではありません。

スキー場、海、砂浜、高地などでは、紫外線を浴びる量が増えやすくなります。目にとっては、上からの日差しだけでなく、下や横から反射してくる光も問題になります。

ここでは、旅行中に紫外線の影響を受けやすい場所について解説します。

雪・水面・砂浜は反射に注意

雪は日差しを強く反射します。スキーやスノーボードでは、上からの紫外線に加えて、雪面からの反射も目に入ります。

海やプール、湖などの水面も紫外線を反射します。砂浜でも反射があり、ビーチで長時間過ごすと目に負担がかかりやすくなります。

「曇っているから大丈夫」と思っていても、紫外線は雲を通ることがあります。曇天でも長時間屋外にいるときは、目の紫外線対策を考えましょう。

標高が高い場所も注意

山や高原など標高が高い場所では、紫外線の影響を受けやすくなります。

登山、ハイキング、スキー、海外の高地観光では、日差しが涼しく感じても紫外線は強いことがあります。気温の低さと紫外線の強さは別物として考えることが大切です。

紫外線で目が痛くなったときの症状

紫外線による目の炎症では、目の表面に傷がついたような症状が出ます。

軽い違和感だけのこともありますが、強い場合は目を開けるのもつらくなることがあります。

ここでは、注意したい症状について解説します。

よくある症状

強い紫外線を浴びた後に、次のような症状が出ることがあります。

・目が痛い
・ゴロゴロする
・涙が止まらない
・まぶしい
・目を開けにくい
・充血している
・かすんで見える
・まぶたが重く感じる

両目に症状が出ることもあります。スキー場や海で両目が急に痛くなった場合は、紫外線の影響も考えます。

コンタクトレンズ使用中は特に注意

コンタクトレンズをつけたまま目が痛くなった場合は、早めに外しましょう。

痛みがある状態でコンタクトレンズを使い続けると、角膜への負担が増えることがあります。旅行中は、予備のメガネを持っておくと安心です。

また、UVカット機能付きのコンタクトレンズであっても、白目やまぶたの周辺、横から入る光までは十分に防げないことがあります。サングラスやゴーグルとの併用を考えましょう。

目が痛くなったときにまずできること

旅行中に目が痛くなったときは、無理に観光やスポーツを続けないことが大切です。

まずは紫外線を避け、目を休ませましょう。

ここでは、応急的にできる対応について解説します。

まずは屋内や日陰で休む

目が痛い、まぶしい、涙が止まらないときは、屋内や日陰に移動します。

強い光を避け、目を閉じて休むだけでも楽になることがあります。サングラスがあれば、移動中も使いましょう。

コンタクトレンズは外す

コンタクトレンズを使用している場合は、清潔な手で外してください。

外した後は、メガネで過ごします。痛みがある状態でコンタクトレンズを再装用するのは避けましょう。

目をこすらない

目がゴロゴロすると、ついこすりたくなります。

しかし、目の表面が傷ついているときにこすると、さらに悪化することがあります。涙が出る場合も、こすらずに清潔なティッシュでそっと拭きましょう。

人工涙液タイプの目薬で様子を見る

市販の人工涙液タイプの目薬があれば、乾燥や違和感をやわらげる助けになることがあります。

ただし、痛みが強い、見え方がおかしい、充血が強い場合は、目薬だけで済ませず眼科受診を考えましょう。

「痛み止めの目薬」や、以前処方された目薬を自己判断で使うのは避けてください。

眼科を受診した方がよいサイン

紫外線による目の痛みは、軽い場合は休息で改善することもあります。

ただし、目の痛みには、感染症、角膜の傷、異物、コンタクトレンズ関連のトラブルなどが隠れていることもあります。

ここでは、眼科受診を考えたいサインについて解説します。

早めに受診したい症状

次のような場合は、旅行先でも眼科や医療機関への相談を考えましょう。

・痛みが強い
・目を開けられない
・まぶしさが強い
・見え方がかすむ
・視力が落ちた感じがある
・充血が強い
・片目だけ強く痛い
・コンタクトレンズを使っていた
・異物が入った可能性がある
・翌日になっても症状が改善しない

特に、コンタクトレンズ使用中の目の痛みは注意が必要です。感染症の可能性もあるため、我慢しすぎないようにしましょう。

子どもや高齢者は無理をしない

子どもや高齢者では、症状をうまく説明できなかったり、痛みを我慢してしまったりすることがあります。

目を開けたがらない、涙が多い、まぶしがる、目をこする、元気がないなどの様子があれば、早めに休ませ、必要に応じて医療機関に相談しましょう。

旅行中の紫外線から目を守る方法

紫外線による目の痛みは、予防がとても大切です。

特にスキー、海水浴、登山、海外リゾートでは、出発前から目の紫外線対策を準備しておきましょう。

ここでは、旅行中にできる予防法について解説します。

UVカットのサングラスやゴーグルを使う

サングラスやゴーグルは、色の濃さだけで選ばないことが大切です。

大切なのは、UVカット機能があるかどうかです。スキーやスノーボードでは、顔にフィットするゴーグルが役立ちます。海や砂浜では、横からの光も入りにくい形のサングラスを選ぶと安心です。

レンズが濃いだけでUVカット機能が不十分なものは、目に入る紫外線を十分に防げないことがあります。購入時は、UVカット表示を確認しましょう。

帽子や日陰も組み合わせる

サングラスだけでなく、つばのある帽子や日陰での休憩も役立ちます。

長時間屋外にいる場合は、こまめに休憩を入れましょう。海やスキー場では「楽しいからもう少し」となりやすいですが、目も体も休ませる時間が必要です。

紫外線が強い時間帯を避ける

日中の紫外線が強い時間帯は、屋外活動を短めにしたり、休憩を増やしたりしましょう。

旅行先の紫外線情報やUVインデックスを確認するのも有用です。特に海外では、日本より紫外線が強い地域もあるため、現地の天気だけでなく紫外線情報も確認しておくと安心です。

旅行前に準備しておきたいもの

旅行中の目のトラブルは、少しの準備で対応しやすくなります。

特にコンタクトレンズを使っている人、スキーや海の予定がある人は、目の紫外線対策グッズを忘れないようにしましょう。

ここでは、旅行前に準備しておきたいものを紹介します。

持っておきたいもの

・UVカットサングラス
・スキー用ゴーグル
・つばのある帽子
・予備のメガネ
・コンタクトレンズケース
・人工涙液タイプの目薬
・清潔なハンカチやティッシュ
・旅行保険の連絡先
・現地の医療機関を調べる手段

コンタクトレンズを使う人は、旅行中に目が痛くなったときのために、必ずメガネを持っていきましょう。

まとめ:スキーや海の目の痛みは紫外線が原因のこともある

旅行中にスキー場や海で過ごした後、目が痛い、涙が出る、まぶしい、目を開けにくいといった症状が出ることがあります。

その場合、強い紫外線による目の炎症が関係している可能性があります。雪、水面、砂浜、高地では紫外線の影響を受けやすくなるため、サングラスやゴーグルで目を守ることが大切です。

目が痛くなったときは、まず紫外線を避け、コンタクトレンズを外し、目をこすらず休ませましょう。

痛みが強い、見え方がおかしい、翌日になっても改善しない、コンタクトレンズを使っていた場合は、旅行先でも眼科や医療機関への相談を考えてください。

参考文献

『What Is Photokeratitis — Including Snow Blindness?』(American Academy of Ophthalmology)
https://www.aao.org/eye-health/diseases/photokeratitis-snow-blindness

『Winter UV Eye Safety: Prevent Snow Blindness and Other Vision Problems』(American Academy of Ophthalmology)
https://www.aao.org/eye-health/tips-prevention/winter-sun-eye-safety

『Sun Exposure in Travelers | Yellow Book』(Centers for Disease Control and Prevention)
https://www.cdc.gov/yellow-book/hcp/environmental-hazards-risks/sun-exposure-in-travelers.html

『紫外線情報(分布図)』(気象庁)
https://www.data.jma.go.jp/env/uvindex/

『紫外線環境保健マニュアル2020』(環境省)
https://www.env.go.jp/chemi/matsigaisen2020/matsigaisen2020.pdf

ABOUT ME
るんるん
30代医師夫婦|旅行に役立つ情報発信|子どもは2人