旅行中は、いつもと違う食事や移動の疲れ、気温差、生活リズムの乱れなどが重なり、お腹の不調が起こりやすくなります。せっかくの旅行中に下痢や腹痛が起こると、不安になってしまう方も多いのではないでしょうか。

実際には、軽い体調不良で落ち着くこともありますが、脱水や感染症など注意したいケースもあります。とくに子どもや高齢の方は、短時間でも状態が変わることがあるため、無理をせず様子を見ることが大切です。

この記事では、旅行中にお腹をこわしやすい理由、まず確認したいポイント、旅先での対応、受診を考えたいサイン、そして海外旅行で意識したいことを解説します。

旅行中にお腹をこわしやすい3つの理由

食事の変化

旅行先では、普段と違うものを食べる機会が増えます。食べ慣れない料理、脂っこい食事、刺激の強い味付け、生もの、冷たい飲み物などが重なると、胃腸に負担がかかりやすくなります。

また、旅先ではつい食べすぎたり、食事時間が不規則になったりすることもあります。こうした変化だけでも、一時的に下痢や腹痛が起こることがあります。

冷え

移動中の車内や機内、ホテル、商業施設などでは冷房が強く、お腹や体が思った以上に冷えてしまうことがあります。体が冷えると腸の動きが乱れ、腹痛や下痢につながることがあります。

特に汗をかいたあとに冷房の効いた場所へ入る場面や、薄着のまま長時間過ごす場面では注意が必要です。

疲れ

旅行中は、楽しく過ごしていても体には意外と負担がかかっています。長時間の移動、睡眠不足、歩き回ることによる疲労、慣れない環境での緊張などが重なると、胃腸の働きが乱れやすくなります。

大人だけでなく、子どもも環境の変化の影響を受けやすく、普段より体調を崩しやすくなることがあります。

まず確認したい3つのポイント

水分がとれているか

下痢や嘔吐があるときにまず気をつけたいのが脱水です。少しずつでも水分がとれているかを確認しましょう。水、お茶、経口補水液などを無理のない範囲で飲めるかが大切です。

一度にたくさん飲ませようとすると、かえって気分が悪くなることもあります。少量ずつ、回数を分けて飲めるかを見るのがポイントです。

ぐったりしていないか

いつもより元気がない、反応が鈍い、横になったまま起きたがらない、顔色が悪いといった様子があれば注意が必要です。とくに子どもは、短時間で状態が変わることもあります。

単なる食べすぎや軽い胃腸の不調ではなく、早めに医療機関へ相談したほうがよい場合もあります。

血便や強い腹痛はないか

下痢だけでなく、血便がある、差し込むような強い腹痛がある、お腹が張っている、高熱を伴うといった場合は、感染症やほかの病気が隠れている可能性もあります。

よくあるお腹の不調だろうと決めつけず、症状の強さやいつもとの違いを確認することが大切です。

旅行中に気をつけたい3つの対応

水分をこまめにとる

旅行中にお腹をこわしたときは、水分補給をこまめに行うことが基本です。下痢が続くと体の水分が失われやすくなるため、のどが渇く前から少しずつ飲むようにしましょう。

吐き気があるときは、一気に飲まず、少量をゆっくりとるほうが飲みやすいことがあります。経口補水液があれば役立つ場面もあります。

食事を無理に進めない

食欲がないときは、無理に普段通り食べなくても大丈夫です。胃腸が弱っているときに無理に食べると、かえって症状が長引くことがあります。

食べられそうなら、おかゆ、うどん、スープ、やわらかいパンなど、消化のよいものから少しずつ試すとよいでしょう。脂っこいものや刺激の強いものは、落ち着くまで控えめが安心です。

予定を軽くする

旅行中は、「せっかく来たから予定どおり動きたい」と思いがちですが、体調が悪いときは無理をしないことが大切です。観光を詰め込みすぎると、回復が遅れたり、症状が悪化したりすることがあります。

その日はホテルや宿でゆっくり休む、移動を減らす、予定を短くするなど、体調優先で調整しましょう。旅行の満足度は、予定を全部こなすことより、無事に帰ることで守られます。

受診を考えたいサイン

旅行中のお腹の不調のなかには、早めに受診したほうがよいケースもあります。次のような場合は、医療機関への相談を考えましょう。

・水分がほとんどとれない
・何度も吐いている
・下痢が何度も続いている
・ぐったりしている、反応が鈍い
・血便がある
・強い腹痛がある
・高熱が続いている
・子どもや高齢の方で元気がない
・症状が改善せず長引いている

旅先では我慢してしまいがちですが、無理をしないことが大切です。宿泊先のスタッフに相談したり、近くの医療機関を確認したりするだけでも安心につながります。

海外旅行で特に意識したいこと

海外旅行では、国内旅行よりもお腹のトラブルに注意が必要な場面があります。地域によっては、水道水、氷、生野菜、加熱が不十分な食べ物などが原因で体調を崩すことがあります。普段より衛生環境が異なることもあり、いわゆる旅行者下痢症が起こることもあります。

そのため、飲み水は安全性が確認できるものを選ぶ、体調に不安があるときは生ものを避ける、手洗いや手指衛生を意識することが大切です。また、渡航先によっては事前に知っておきたい感染症やワクチンの情報もあります。

さらに、海外では医療機関の受診方法や費用が日本と大きく異なることもあります。万が一に備えて、出発前に海外旅行保険の内容や、受診時のサポート体制を確認しておくと安心です。

まとめ

旅行中にお腹をこわす原因としては、食事の変化、冷え、疲れなどがよくあります。多くは安静と水分補給で落ち着くこともありますが、脱水や強い腹痛、血便、ぐったりしている様子などがあるときは注意が必要です。

旅先では無理をして予定を続けるより、体調を優先して行動することが結果的に安心につながります。とくに海外旅行では、食事や水、感染症対策、保険の準備も含めて考えておくと心強いです。

旅行を楽しむためにも、体調が崩れたときの基本的な対応を知っておくことは大きな備えになります。

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るんるん
30代医師夫婦|旅行に役立つ情報発信|子どもは2人