旅行中に咳や喉の痛みがあるときの対応
旅行中に咳が出たり、喉が痛くなったりすると、予定を続けてよいのか、周囲にうつさないか、不安になることがあります。
旅先では、長時間の移動、空調による乾燥、寝不足、疲労、人混み、気温差などが重なりやすく、喉の違和感や咳が出ることがあります。風邪や新型コロナウイルス感染症、インフルエンザなどの感染症が関係することもあります。
軽い喉の痛みや咳であれば、休憩、水分補給、乾燥対策で様子を見られることもあります。ただし、高熱、息苦しさ、強いだるさ、胸の痛み、血の混じった痰、症状の悪化がある場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。
ここでは、旅行中に咳や喉の痛みがあるときの対応について解説します。
旅行中に咳や喉の痛みが出やすい理由

旅行中は、喉や気道に負担がかかる場面が増えます。
飛行機、新幹線、ホテルの室内では空調で空気が乾燥しやすく、喉の痛みや咳につながることがあります。長時間話す、寝不足が続く、移動で疲れるといったことも、喉の不調を感じやすくする要因です。
また、旅行先では人混みに入る機会が増えます。駅、空港、観光地、飲食店、テーマパークなどでは、風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症などの感染症に接する可能性もあります。
寒暖差も咳のきっかけになります。暑い屋外から冷房の強い室内へ入る、朝晩の冷え込みがある、乾燥した空気を吸うなどで、喉が刺激されることがあります。
まずできるセルフケア

咳や喉の痛みが出たら、まずは体を休めることが大切です。
水や白湯を少しずつ飲み、喉を乾燥させないようにしましょう。喉が痛いときは、刺激の強い食べ物、アルコール、喫煙を避けると過ごしやすくなります。
ホテルでは、加湿器を借りられる場合があります。難しい場合は、濡れタオルを室内にかける、入浴後に浴室のドアを少し開けて湿度を保つなどの工夫もあります。ただし、換気や安全面には注意しましょう。
市販薬を使う場合は、症状に合うものを選び、用法・用量を守ります。持病がある方、妊娠中の方、子ども、高齢者、他の薬を飲んでいる方は、薬剤師に相談してから使うと安心です。
周囲にうつさないために気をつけたいこと

咳が出るときは、周囲への配慮も大切です。
マスクを着用し、咳やくしゃみが出るときは、ティッシュやハンカチ、袖で口と鼻を覆います。使ったティッシュはすぐに捨て、手洗いや手指消毒を行いましょう。
人混みや密閉された場所では、できるだけ距離を取り、長時間の滞在を避けます。食事中はマスクを外すため、咳が強いときは混雑した店を避ける、テイクアウトにする、部屋で休むなども選択肢です。
発熱や強いだるさがある場合は、予定を詰め込まず、ホテルで休むことを優先します。旅行中は予定変更が惜しく感じますが、体調が悪いまま動き続けると、回復が遅れることがあります。
受診を考えたいサイン

咳や喉の痛みがあるときは、症状の強さや一緒に出ている症状を確認しましょう。
高熱が続く、息苦しい、胸の痛みがある、ゼーゼーする、顔色が悪い、強いだるさがある場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。痰に血が混じる、咳がどんどん悪化する、横になると苦しい場合も注意が必要です。
喉の痛みが強く、水分が取れない、唾を飲み込むのもつらい、首の腫れがある、声が出にくい状態が続く場合も、受診を考えます。
子ども、高齢者、妊娠中の方、喘息やCOPDなど呼吸器の持病がある方、心臓病や免疫低下がある方では、症状が軽く見えても早めに相談した方がよい場合があります。
旅行先では、普段のかかりつけ医にすぐ行けないことがあります。ホテルスタッフ、旅行保険の相談窓口、自治体の相談窓口、救急相談窓口なども活用しましょう。
旅行前に準備しておきたいもの

咳や喉の痛みに備えて、旅行前に最低限の対策をしておくと安心です。
マスク、のど飴、体温計、常用薬、お薬手帳、保険証、市販の解熱鎮痛薬や咳止めなどを必要に応じて準備します。子ども用の薬は大人用と異なるため、事前に確認しておきましょう。
乾燥しやすい移動では、水分を手元に置いておくと便利です。飛行機や新幹線では、喉が乾く前に少しずつ飲むと、喉の違和感を軽くしやすくなります。
喘息やアレルギー、慢性的な咳がある方は、旅行前に薬の残量を確認し、発作時や悪化時の対応をかかりつけ医に確認しておくと安心です。
旅行中の咳・喉の痛みチェックリスト

旅行中に咳や喉の痛みが出たときは、次の点を確認しましょう。
まず確認したいこと
- 発熱があるか
- 息苦しさがあるか
- 胸の痛みがあるか
- 咳が強くなっているか
- 痰の色や血の混じりがあるか
- 水分が取れているか
- 強いだるさがあるか
- 周囲に感染を広げない対策ができているか
受診を考えるサイン
- 高熱が続く
- 息苦しい
- 胸が痛い
- ゼーゼーする
- 血の混じった痰が出る
- 水分が取れない
- 強いだるさがある
- 子ども、高齢者、妊娠中、持病がある
まとめ

旅行中の咳や喉の痛みは、乾燥、疲れ、寝不足、寒暖差、人混み、感染症などがきっかけで起こることがあります。
まずは無理に予定を続けず、休憩、水分補給、乾燥対策を行いましょう。咳が出るときは、マスクや咳エチケット、手洗いを意識し、周囲に広げない配慮も大切です。
高熱、息苦しさ、胸の痛み、血の混じった痰、水分が取れないほどの喉の痛み、強いだるさがある場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。子どもや高齢者、妊娠中の方、呼吸器や心臓の持病がある方では、早めの判断が安心につながります。
旅行中は、予定をすべてこなすことよりも、安全に過ごして帰ることが大切です。体調に不安があるときは、予定を調整し、休める時間を確保しましょう。
参考文献・参考サイト
- 厚生労働省:咳エチケット
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000187997.html - 厚生労働省:新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行後の対応について
https://www.mhlw.go.jp/stf/corona5rui.html - 厚生労働省:上手な医療のかかり方.jp
https://kakarikata.mhlw.go.jp/ - 日本呼吸器学会:一般のみなさまへ
https://www.jrs.or.jp/citizen/ - 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会:一般の皆さん
https://www.jibika.or.jp/