海外旅行では、現地の料理を楽しみにしている人も多いでしょう。

一方で、旅行中の下痢や腹痛、嘔吐は珍しくありません。食べ物や飲み水の衛生状態は国や地域によって異なり、見た目がきれいでも安全とは限らないことがあります。

特に注意したいのは、生水、氷、生もの、加熱が不十分な肉や魚、常温で長く置かれた料理です。旅行先では、「何を食べるか」だけでなく、「どのように調理され、どのように保存されていたか」も確認することが大切です。

この記事では、海外旅行でお腹を壊さないために避けたい食べ物・飲み物を解説します。

生水・氷・封の開いた飲み物に注意する

海外旅行では、まず飲み水に注意しましょう。

地域によっては、水道水に細菌、ウイルス、寄生虫などが含まれる可能性があります。普段その土地で生活している人が飲める水でも、旅行者が体調を崩すことがあります。

避けたいものは、次のようなものです。

・安全性が確認できない水道水
・生水
・水道水で作られた可能性がある氷
・封が開いているペットボトル
・大きな容器から移し替えられた水
・水で薄めたジュース
・衛生状態が不明なフレッシュジュース
・露店で作られた飲み物

ペットボトルの水を選ぶときは、ふたの封が開いていないか確認しましょう。ボトルが極端に傷んでいる、ふたが緩い、不自然に水量が少ない場合は避けた方が安心です。

炭酸飲料や缶飲料も、未開封であることを確認します。口をつける部分が汚れている場合は、清潔な水で洗うか拭いてから飲みましょう。

飲み水だけでなく、歯みがき、薬を飲むとき、粉ミルクを作るときにも注意が必要です。水道水の安全性がわからない地域では、未開封のボトル水や適切に処理された水を使いましょう。

「飲み物そのものは安全そうでも、氷が原因になる」ことがあります。安全性が確認できない地域では、氷なしで注文する方が安心です。

生野菜・カットフルーツ・皮をむいてある果物は避ける

海外では、生野菜や果物にも注意が必要です。

野菜や果物そのものに問題がなくても、洗浄に使った水、調理器具、手指などから汚染されることがあります。

注意したいものは、次のとおりです。

・生野菜のサラダ
・カットフルーツ
・あらかじめ皮をむいてある果物
・屋台で切り分けられた果物
・生のハーブ
・生のもやし
・水で洗っただけの野菜
・ビュッフェで長時間置かれたサラダ

特にカットフルーツは、切った後に常温で置かれていることがあります。暑い地域では、時間がたつほど衛生状態が悪くなる可能性があります。

果物を食べるなら、自分で皮をむけるものを選ぶと安心です。

例えば、

・バナナ
・オレンジ
・みかん
・マンゴー
・アボカド

などです。

ただし、皮をむく前の手が汚れていると、果肉に病原体がつくことがあります。食べる前には手を洗い、可能であれば清潔な水を使いましょう。

ホテルの朝食ビュッフェでも、カットフルーツやサラダが長時間常温に置かれている場合は注意が必要です。冷蔵管理されているか、料理が新しく補充されているかを見るようにしましょう。

生もの・加熱不足の肉や魚介類を避ける

海外旅行では、生ものや加熱が不十分な食品にも注意しましょう。

肉、魚、貝類、卵などは、十分に加熱されていないと食中毒の原因になることがあります。

避けたいものは、次のようなものです。

・生肉
・レアなひき肉料理
・加熱不足の鶏肉
・生の魚介類
・生牡蠣
・加熱不足の貝類
・半熟卵
・生卵
・衛生状態が不明な寿司や刺身
・生のひき肉料理

特にひき肉は、表面だけでなく内部にも病原体が入り込む可能性があります。ハンバーグや肉団子、ケバブなどは、中心部まで十分に火が通っているか確認しましょう。

鶏肉は、中心部が生っぽい、赤い、冷たい場合は食べないようにします。

魚介類も注意が必要です。海が近い地域だから安全とは限りません。生牡蠣や生の貝類は、細菌やウイルスによる感染症につながることがあります。

料理を選ぶときは、

・中心まで十分に加熱されている
・湯気が出ている
・注文後に調理されている
・温かい料理が温かい状態で提供されている

ことを確認すると安心です。

見た目だけで判断できない場合は、無理に食べないことも大切です。

常温で長く置かれた料理やビュッフェに注意する

海外旅行では、ビュッフェ、屋台、露店、ホテルの朝食などを利用する機会があります。

注意したいのは、調理後に長時間常温で置かれた料理です。

避けたいものは、次のようなものです。

・ぬるくなった料理
・長時間置かれたビュッフェ料理
・常温の肉料理
・常温の魚介料理
・常温の卵料理
・屋外に並べられた惣菜
・いつ調理されたかわからない料理
・何度も温め直したような料理

加熱された料理でも、その後の保存状態が悪ければ安全とは限りません。

例えば、

温かい料理

常温で長時間放置

細菌が増える

再加熱が不十分

下痢や嘔吐につながる

ということがあります。

料理を選ぶときは、しっかり熱い状態で提供されているものを選びましょう。

ビュッフェでは、

・料理から湯気が出ているか
・保温されているか
・冷たい料理が冷蔵されているか
・料理が頻繁に補充されているか
・トングが料理の中に落ちていないか
・多くの人が触れていないか

なども確認します。

混雑していて料理の回転が速い店は、比較的新しい料理が出てくることがあります。ただし、混雑しているだけで安全とは限りません。店内や調理場の清潔さも確認しましょう。

屋台・乳製品・フレッシュジュースは衛生状態を見る

海外旅行では、屋台料理や市場の食べ歩きも楽しみのひとつです。

ただし、屋台では水、食材の保管、手洗い設備、冷蔵設備が十分でないことがあります。すべての屋台が危険というわけではありませんが、衛生状態を見て選ぶことが大切です。

避けたい屋台の特徴は、次のとおりです。

・生肉と調理済み食品が接触している
・食材が炎天下に置かれている
・ハエが多い
・調理器具が汚れている
・作り置きが多い
・水の保管状態が悪い
・店員が現金と食品を同じ手で扱う
・料理がぬるい

屋台で食べるなら、注文後に目の前で十分に加熱され、熱い状態で提供されるものを選びましょう。

乳製品にも注意が必要です。

地域によっては、加熱殺菌されていない牛乳や乳製品が販売されています。

避けたいものは、

・未殺菌乳
・未殺菌乳を使ったチーズ
・衛生状態が不明なアイスクリーム
・常温で置かれた乳製品

などです。

フレッシュジュースやスムージーも注意しましょう。果物自体が安全でも、

・洗浄に使った水
・氷
・ミキサー
・保存容器

が汚染されていることがあります。

特に露店のフルーツジュースは、作り置きされているものや氷入りのものを避けた方が安心です。

まとめ:海外では「加熱・封・保存状態」を確認する

海外旅行でお腹を壊したくない場合は、料理名だけでなく、調理方法と保存状態を見ることが大切です。

特に注意したいのは、

・生水
・安全性が不明な氷
・封の開いた飲み物
・生野菜
・カットフルーツ
・生肉
・加熱不足の肉や魚介類
・生卵
・常温で長く置かれた料理
・衛生状態が不明な屋台料理
・未殺菌乳製品
・安全性が不明なフレッシュジュース

です。

比較的選びやすいのは、

・十分に加熱された料理
・熱い状態で提供される料理
・未開封のボトル飲料
・自分で皮をむく果物
・適切に冷蔵された食品

です。

ただし、どれだけ注意しても下痢を完全に防げるわけではありません。旅行中は、疲労、ストレス、食事の変化、香辛料、油分などでもお腹の調子を崩すことがあります。

下痢になった場合は、まず水分補給を優先しましょう。安全な水や経口補水液を少量ずつとります。

次のような場合は、旅先でも医療機関への相談を考えてください。

・水分がとれない
・何度も吐く
・尿が少ない
・ぐったりしている
・強い腹痛がある
・血便がある
・高熱がある
・下痢が続く
・高齢者や小さな子ども
・妊娠中
・持病がある

海外旅行では、「せっかくだから食べてみよう」と無理をする必要はありません。

食べ物は十分に加熱されているか、飲み物は未開封か、料理は適切に保存されているかを確認して、旅行中のお腹のトラブルを減らしましょう。

参考文献

『病気になったら』(厚生労働省検疫所 FORTH)
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/attention04.html

『どうやってうつる?』(厚生労働省検疫所 FORTH)
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/useful_infection.html

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