夏の旅行や海外旅行では、蚊や虫に刺される機会が増えることがあります。

「子どもが蚊に刺されやすい」「海外で虫に刺されて病気にならないか心配」「虫よけは何を選べばよいのか分からない」と不安になる方もいるでしょう。

虫刺されの多くは、かゆみや赤みで済むことがあります。一方で、地域によっては蚊やマダニなどが感染症を媒介することがあり、旅行前から対策を考えておくことが大切です。

蚊・虫対策は、虫よけ剤だけでなく、服装、宿泊先、屋外での過ごし方、刺された後の対応を組み合わせると実践しやすくなります。

ここでは、旅行中の蚊・虫対策で気をつけたいことについて解説します。

旅行中に蚊や虫に刺されやすくなる理由

旅行中は、普段より屋外で過ごす時間が長くなりやすく、蚊や虫に刺される機会も増えます。特に、夏の旅行、キャンプ、川遊び、山歩き、海外のリゾート地、熱帯・亜熱帯地域への旅行では、虫刺され対策を考えておくと安心です。

ここでは、旅行中に蚊や虫に刺されやすくなる理由について解説します。

屋外で過ごす時間が長くなる

旅行中は、観光、散歩、外での食事、レジャーなどで屋外にいる時間が増えます。

蚊は水辺、草むら、木陰、湿気の多い場所などで見かけやすくなります。夕方から夜に刺されやすい種類もあれば、日中に活動する種類もあります。

そのため、「夜だけ気をつければよい」と考えるのではなく、旅行先の環境に合わせて対策することが大切です。

夏や海外では肌の露出が増えやすい

夏の旅行では、半袖、短パン、サンダルなど、肌を出す服装になりやすくなります。

肌の露出が増えると、蚊やブヨ、アブなどに刺されやすくなります。暑い時期でも、薄手の長袖や長ズボンを使うと、虫刺され対策になります。

特に、キャンプ、川遊び、山歩き、夕方以降の屋外レストラン、海外の自然が多い地域では、肌を覆う服装を意識すると安心です。

地域によっては感染症にも注意が必要

海外では、地域によって蚊が感染症を媒介することがあります。

代表的なものには、デング熱、マラリア、日本脳炎、黄熱、ジカウイルス感染症、チクングニア熱などがあります。渡航先によって注意したい感染症は異なるため、海外旅行では出発前に感染症情報を確認しておくと安心です。

国内旅行でも、山や草むら、キャンプ場などではマダニに注意が必要な場面があります。

蚊や虫が媒介する感染症

虫刺されは、かゆみや腫れだけでなく、感染症の入り口になることがあります。すべての虫刺されを怖がりすぎる必要はありませんが、旅行先によって注意する病気が変わります。

ここでは、蚊や虫が媒介する感染症について解説します。

蚊が媒介する感染症

蚊は、地域によってさまざまな感染症を媒介します。

海外旅行で注意したいものには、以下のようなものがあります。

  • デング熱
  • マラリア
  • ジカウイルス感染症
  • 黄熱
  • 日本脳炎
  • チクングニア熱
  • ウエストナイル熱

これらは、日本では日常的に意識しにくい病気もありますが、渡航先によっては重要な健康リスクになります。

旅行中や帰国後に、発熱、強い頭痛、関節痛、筋肉痛、発疹、強いだるさなどが出た場合は、渡航先や虫刺されの有無を医療機関で伝えましょう。

マダニが媒介する感染症

山、草むら、森林、キャンプ場などでは、マダニにも注意が必要です。

マダニは草むらや茂み、森林などに生息し、皮膚に付着して吸血することがあります。肌の露出を減らす、虫よけ剤を使う、屋外活動後に体や衣服を確認することが大切です。

マダニに刺された後に、発熱、発疹、強いだるさなどが出た場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。

かき壊しによる皮膚トラブル

虫刺されは、かゆみが強いとかき壊してしまうことがあります。

かき壊すと皮膚に傷ができ、細菌感染を起こすことがあります。子どもでは無意識にかいてしまうこともあるため、爪を短くしておく、かゆみ止めを使う、必要に応じて冷やすなどの対応が役立ちます。

赤みや腫れが広がる、痛みが強い、膿が出る、発熱がある場合は、皮膚の感染も考えて受診を検討しましょう。

旅行前に準備したい虫対策

旅行中の虫刺され対策は、現地に着いてから慌てて準備するより、出発前にある程度そろえておくと安心です。

ここでは、旅行前に準備したい虫対策について解説します。

渡航先や旅行先の虫リスクを確認する

海外旅行では、渡航先の感染症情報を事前に確認しましょう。

同じ国でも、都市部、農村部、山岳地帯、森林地帯、雨季・乾季などでリスクが異なることがあります。マラリア流行地域に行く場合は、予防薬が必要になることもあるため、早めにトラベルクリニックや医療機関へ相談する選択肢があります。

国内旅行でも、キャンプ、山歩き、川遊び、草むらでの活動がある場合は、虫よけ剤や服装の準備をしておくと安心です。

虫よけ剤を準備する

旅行前には、虫よけ剤を用意しておきましょう。

虫よけ剤には、DEET、イカリジン、ピカリジンなどの有効成分を含むものがあります。製品によって、対象年齢、使用回数、使用できる部位が異なります。

特に子どもに使う場合は、対象年齢や使用方法を確認しておきましょう。大人が手に取ってから塗る、目や口の周りを避ける、傷や湿疹がある部位には使わないなど、使い方にも注意が必要です。

長袖・長ズボンなど服装も準備する

虫刺され対策では、服装も重要です。

屋外で過ごす時間が長い場合は、薄手の長袖、長ズボン、靴下、帽子を準備しておくと安心です。暑い時期は、通気性のよい素材を選ぶと過ごしやすくなります。

山や草むらに入る場合は、サンダルよりも足を覆う靴を選び、ズボンの裾から虫が入りにくい服装にするとよいでしょう。

虫よけ剤の選び方と使い方

虫よけ剤は、旅行中の蚊・虫対策の中心になるアイテムです。ただし、何となく使うだけでは十分に活用できていないこともあります。

ここでは、虫よけ剤の選び方と使い方について解説します。

有効成分と対象年齢を確認する

虫よけ剤を選ぶときは、有効成分と対象年齢を確認します。

DEETやイカリジンを含む製品は、日本でも市販されています。製品によって濃度や使用できる年齢、1日の使用回数が異なります。

海外製品を購入する場合も、成分や濃度、使用方法を確認してから使いましょう。妊娠中、授乳中、乳幼児、皮膚が敏感な方では、使用前に薬剤師や医師へ相談すると安心です。

日焼け止めとの順番に注意する

屋外では、日焼け止めと虫よけ剤を一緒に使うことがあります。

その場合は、先に日焼け止めを塗り、その後に虫よけ剤を使うのが基本です。汗をかいたり、泳いだり、タオルで拭いたりした後は、必要に応じて塗り直します。

ただし、塗り直しの頻度は製品によって異なります。強く塗れば長く効くわけではないため、使用説明を確認して使いましょう。

顔や子どもへの使い方に注意する

虫よけ剤を顔に使う場合は、直接スプレーしないようにします。

一度手に取ってから、目や口の周りを避けて薄く塗ります。子どもには、自分でスプレーさせず、大人が塗るようにしましょう。

吸い込みを避けるため、室内や車内など換気の悪い場所で大量に使わないことも大切です。

旅行中にできる蚊・虫対策

虫対策は、出発前の準備だけでなく、旅行中の行動でも変わります。虫が多い場所や時間帯を意識し、服装や宿泊先の環境も含めて対策しましょう。

ここでは、旅行中にできる蚊・虫対策について解説します。

水辺や草むらでは肌の露出を減らす

川、湖、池、湿地、草むら、キャンプ場では、蚊やブヨなどに刺されやすくなることがあります。

夕方から夜に屋外で過ごす場合は、虫よけ剤、長袖、長ズボンを組み合わせると安心です。水辺では涼しさを感じやすい一方で、蚊が集まりやすいこともあります。

宿泊先では窓や網戸を確認する

旅行中の虫刺されは、屋外だけでなく宿泊先でも起こることがあります。

蚊が多い地域では、エアコンや網戸がある宿を選ぶと、蚊が室内に入りにくくなります。窓やドアを開けっぱなしにしないことも大切です。

宿泊先で蚊が気になる場合は、部屋に入ったときに窓や網戸の状態を確認しておきましょう。網戸やエアコンが十分でない宿では、蚊帳が役立つ場面もあります。

山や森林ではマダニ対策も意識する

山歩き、ハイキング、キャンプでは、蚊だけでなくマダニにも注意します。

草むらや茂みに入る場合は、肌の露出を減らし、帰宅後や宿に戻った後に体や衣服を確認します。マダニはすぐに気づかないこともあるため、首まわり、わき、膝の裏、足の付け根なども確認しましょう。

子どもの虫刺され対策

子どもは虫に刺されやすく、刺された後にかき壊してしまうことがあります。子連れ旅行では、予防と刺された後の対応をセットで考えると安心です。

ここでは、子どもの虫刺され対策について解説します。

虫よけ剤は大人が塗る

子どもに虫よけ剤を使う場合は、大人が塗るようにします。

子どもが自分でスプレーすると、目や口に入ったり、吸い込んだりすることがあります。顔に使う場合は大人の手に取ってから塗り、手のひら、目の周り、口の周り、傷や湿疹のある部位は避けます。

服装で肌を守る

子どもは外遊びで草むらに入ったり、地面に座ったりすることがあります。

薄手の長袖、長ズボン、靴下、帽子を使うと、虫刺されを減らしやすくなります。暑い時期は熱中症対策も必要なので、通気性のよい服、こまめな休憩、水分補給を合わせて考えましょう。

かき壊しを防ぐ

虫刺されのかゆみが強いと、子どもは無意識にかいてしまいます。

爪を短くする、刺された部位を冷やす、かゆみ止めを使う、必要に応じて絆創膏などで保護することがあります。

赤みや腫れが広がる、膿が出る、痛みが強い場合は、皮膚の感染も考えて受診を検討しましょう。

虫に刺されたときの対応

虫に刺されたときは、まず皮膚を清潔にし、かゆみや腫れを悪化させないことが大切です。

ここでは、虫に刺されたときの対応について解説します。

まず洗って冷やす

虫に刺された場所は、可能であれば水で洗い、清潔にします。

かゆみや腫れがある場合は、冷たいタオルなどで冷やすと楽になることがあります。かゆいからといって強くかくと、皮膚が傷つき、感染の原因になることがあります。

市販薬を使う場合は対象年齢や部位を確認する

軽い虫刺されでは、市販のかゆみ止めや炎症を抑える外用薬を使うことがあります。

子どもに使う場合、顔や広い範囲に使う場合、ステロイド外用薬を使う場合は、対象年齢や使用部位を確認しましょう。症状が強い場合や、何を使うか迷う場合は薬剤師へ相談すると安心です。

赤みや腫れが強い場合は注意する

かき壊して傷になった場合は、清潔に保ちます。

赤みが広がる、熱感がある、痛みが強い、膿が出る、発熱がある場合は、皮膚感染の可能性があります。旅行中でも、症状が悪化する場合は医療機関へ相談しましょう。

受診を考えたい症状

虫刺されの多くは自然に軽くなりますが、受診を考えた方がよい症状もあります。旅行中や帰宅後の体調変化も含めて確認しましょう。

ここでは、受診を考えたい症状について解説します。

強いアレルギー症状がある

虫刺されの後に、全身のじんましん、息苦しさ、唇やまぶたの腫れ、声のかすれ、強い腹痛、嘔吐、意識がぼんやりするなどが出た場合は、緊急性があります。

特に、息苦しさや意識の変化を伴う場合は、すぐに救急対応を考えましょう。

発熱や発疹がある

海外旅行中や帰国後に、発熱、発疹、強い頭痛、関節痛、筋肉痛、強いだるさなどが出た場合は、蚊媒介感染症なども考えます。

渡航先、滞在期間、虫に刺されたかどうか、現地での行動を医療機関で伝えられるようにしておくと診療に役立ちます。

マダニが付着している

マダニが皮膚に付着している場合、無理に引き抜くと口器が皮膚に残ることがあります。

自分で取ろうとして強く引っ張るより、可能であれば医療機関で処置してもらうと安心です。マダニに刺された後に発熱や発疹が出た場合も、早めに相談しましょう。

旅行中の蚊・虫対策チェックリスト

旅行中の蚊・虫対策は、出発前、屋外活動、宿泊先、刺された後の対応に分けて確認すると準備しやすくなります。

出発前の確認

  • 渡航先や旅行先の感染症情報を確認する
  • 虫よけ剤を準備する
  • 子どもに使える虫よけ剤か確認する
  • 薄手の長袖、長ズボンを準備する
  • 靴下や歩きやすい靴を準備する
  • かゆみ止めを準備する
  • 必要に応じてトラベルクリニックへ相談する

屋外での確認

  • 水辺や草むらでは肌の露出を減らす
  • 虫よけ剤を適切に使う
  • 日焼け止めの後に虫よけ剤を使う
  • 夕方以降の屋外では足元にも注意する
  • 山や森林ではマダニ対策を意識する
  • 子どもの手や顔に虫よけ剤が付かないようにする

宿泊先と帰宅後の確認

  • 網戸や窓の状態を確認する
  • 蚊が多い地域では蚊帳も検討する
  • 寝る前に部屋の虫を確認する
  • 山や草むらに行った後は体や衣服を確認する
  • 刺された場所をかき壊さない
  • 発熱や発疹があれば医療機関へ相談する

まとめ

海外旅行や夏の旅行では、蚊や虫に刺される機会が増えることがあります。

虫刺されの多くは、かゆみや赤みで済むことがありますが、地域によってはデング熱、マラリア、日本脳炎、黄熱、ジカウイルス感染症など、蚊が媒介する感染症にも注意が必要です。

対策の基本は、虫よけ剤を正しく使うこと、肌の露出を減らすこと、宿泊先の環境を確認すること、虫が多い場所や時間帯を意識することです。山や草むらでは、マダニ対策も忘れないようにしましょう。

刺された後は、洗って冷やし、かき壊さないことが大切です。強い腫れ、皮膚の感染が疑われる症状、発熱や発疹、息苦しさなどがある場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。

虫対策は、旅行の楽しみを減らすためではなく、安心して過ごすための準備です。渡航先や季節に合わせて、無理なく続けられる対策を取り入れていきましょう。

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